2013/07/04
チャルダッシュ(モンティ)
先週の土曜日は「SP飲み会」でした(SPレコードとは、LP登場以前、主に1940年代以前のレコードです)。メンバーは、九州を代表するSP愛好家のふ○ジョンさん、本州を代表するSP愛好家のポンちゃ○さん、それと素人代表のLoree(以上3名)。この会合は昨年から「やるやる詐欺」状態でしたが、ようやく実現しました。
夕刻、都内某所のビル9階のレコード屋さんに集合し、さらにもう1軒のレコード屋さんにハシゴした後、ふじ○ョンさん行きつけのカレー屋さんでSP談義。この会合では「クライバー」と言えばカルロスにあらずエーリヒ、「フルニエのドボコン」と言えばジョージ・セル指揮ベルリン・フィルのステレオ録音にあらずクーベリック指揮フィルハーモニア管のSP盤を指すことは言うまでもありません。
そもそも、初心者のLoreeに参加資格があるのか疑問ですが、とりあえず数枚所有しているということで、暖かくメンバー扱いしてくださったお二人に感謝します。ふじジョ○さんもぼくも、ポン○ゃんさんとお会いするのは初めてで、ふじジョ○さんはこの会合のためにわざわざ上京し、ついでにミチエとも会ったそうです。
レコード屋さんではそれぞれSPを購入したのですが、何を隠そう、ぼくが自力でSPを買ったのはこの日が初めてでした!わが家のわずかなライブラリーは、先祖伝来のカペーとか、諸先輩方からいただいたものとか、ネットで代理で落札していただいたものとか、他力本願の結晶です(汗)この日、ついに(ランチ半月分をはたいて)1枚購入し、しかもそれをポ○ちゃんさんに託して復刻していただきました!
<曲名>
チャルダッシュ(モンティ)
<演奏>
イヴォンヌ・キュルティ(ヴァイオリン)、G.van.パリス(ピアノ)
【1929年頃録音、Columbia 5290(英)、マトリクス番号L869】
[裏面の「マドリガル」と合わせて、ポンちゃんさんの記事でお聴きいただけます]
バイオリンの古澤巌さんは若い頃から、よく私の自宅にやってきた。名バイオリニストのイボンヌ・キュルティが弾く『チャルダーシュ』などに聴き入っていた。戦前の名手たちのように、小品を個性豊かに弾く彼のスタイルは、ここが出発点になっていると思う。(クリストファ・N・野澤、2006年2月22日付、日本経済新聞への寄稿記事より)
モンティのチャルダッシュは、戦後日本では古澤巌さんがアンコール・ピースにしたのに始まり、天満敦子さんなどもレパートリーにして人気を博していますが、この二人共が実は、キュルティの演奏を聴いて原点としておられるのです。(クリストファ・N・野澤、「SPレコード」誌への寄稿記事より)
セクシーで頭が切れて、でも可愛くて…そんな女性を魅力的と思わぬ男はいないであろう、まさにそんなイメージの演奏である。(上杉春雄)
イヴォンヌ・キュルティ!ぼくがこのヴァイオリニストを偏愛していること、また、彼女に関する情報はほとんどないことは過去記事に書いた通りです(※)。そんな中でも「チャルダッシュ」はクリストファ・N・野澤氏があちこちで紹介していることから、キュルティの代名詞的なレコードとなっています。今ではたいへん有名なこの曲を、レコードで最初に広めたのは、今となってはまったく無名のキュルティだったのではないかと思います。
しかしぼくは「チャルダッシュ」よりも裏面の「マドリガル」に惹かれます。「マドリガル」は過去記事でも紹介したことがありますが、ポ○ちゃんさんのクオリティの高い復刻であらためてキュルティの魅惑のヴァイオリンを皆さんに聴いていただけるようになって、感無量です
