2013/12/30
映画「レベッカ」(フランツ・ワックスマン)
<タイトル>
レベッカ
【公開】1940年(アメリカ)
【監督】アルフレッド・ヒッチコック
【音楽】フランツ・ワックスマン
【キャスト】ジョーン・フォンテイン(ヒロイン)、ローレンス・オリビエ(大富豪マキシム役)ほか
映画「レベッカ」はヒッチコック監督の渡米第1作。レベッカというのは大富豪マキシム・ド・ウィンターの亡き前妻の名前で、映画のタイトルにもなっているのに最初から最後まで一度も姿を見せないわ、この大富豪の後妻となるヒロイン(ジョーン・フォンテイン演ずる)は最初から最後まで一度も名前を呼ばれないわ、事故死ということになっていた前妻レベッカの隠された真実が明かされても夫婦間でたいした問題になるでもないわ、一筋縄ではいかない。
率直に言って、この映画の最大の魅力はとろけるように甘美な音楽です、間違いない。フランツ・ワックスマン(1906~1967)はヨーロッパからアメリカに渡ってハリウッドで成功した一人。その点ではコルンゴルト(1897~1957)もそうでした。ワックスマンの名前はクラシック業界では唯一、サラサーテの有名曲と同じタイトルの「カルメン幻想曲」(→ http://www.youtube.com/watch?v=LKAwWVRBw5w)の作曲者として記憶されていますが、彼は生涯に144の映画音楽を手掛け、その中でも最高傑作と自ら語っていたのが「レベッカ」だそうです(MARCO POLOの1996年版カタログの紹介文による)。
<サウンドトラック盤>
アドリアーノ指揮チェコスロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団
【1990年録音、MARCO POLO】
http://ml2.naxos.jp/album/8.223399 (MARCO POLO)
http://ml2.naxos.jp/album/8.557549 (NAXOS移行盤)
これはもちろんオリジナル・サウンドトラックではなく、映画制作からちょうど半世紀を経て新たにレコーディングされたものです。当初はMARCO POLOから発売され、その後、NAXOSに移行しましたが、数年前に某クラシックCD専門通販ショップが実施した「NAXOS売上ワースト100」というセールに堂々登場していたことを、ぼくは見逃さない。
映画自体がパブリックドメインとなっていて、近所の本屋さんでもワンコインで売っているから、さすがのNAXOSも割高感があるし、ブラティスラヴァ響の演奏はいつもながら薄味。そんなわけで、英検4級のあなたには、YouTubeの英和対訳字幕&文法解説付きのありがたい動画がオススメ。
英語学習映画「レベッカ」04 http://www.youtube.com/watch?v=iQeUsZyzz0M
英語学習映画「レベッカ」06 http://www.youtube.com/watch?v=i8xdM3djl9A
英語学習映画「レベッカ」08 http://www.youtube.com/watch?v=HOketBbd2qA
英語学習映画「レベッカ」06より(0分35秒~)
I wish there could be an invention that bottled up the memory like perfume. And it never faded, never got stale, then whenever I wanted to, I could uncork the bottle and live the memory all over again.
(思い出を香水みたいに瓶の中に詰められたらいいのにね。決して色あせず、いつまでも新鮮で、好きなときにフタを開けて何度でも思い出を味わえる)
英語学習映画「レベッカ」08より(0分29秒~)
Oh, I do love you!I love you most dreadfully!I've been crying all morning because I thought I'd never see you again!
(愛しています!心から愛しています!午前中、ずっと泣いてたんです!もう二度と会えないと思って…)
主演女優ジョーン・フォンテイン、2013年12月15日逝去(享年96歳)