絵文字で語るオペラ

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(解答)
【第1問】「蝶々夫人」(プッチーニ)
【第2問】?(ヒントは22時を指す時計?)
【第3問】?(ヒントは舟と三日月?)
【第4問】?
【第5問】?
【第6問】?
【第7問】「カルメン」(ビゼー)
【第8問】?(ヒントは荒れ狂った海?)
【第9問】?(ヒントはやけに多い登場人物の間の木?)
【第10問】?(ヒントは蛇と鍵?)
【第11問】「道化師」(レオンカヴァッロ)
【第12問】「椿姫」(ヴェルディ)

難しい
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「こうもり」序曲(ヨハン・シュトラウス2世)

ゆうちゃんは16歳。高校生になりました。今年に入ってから受験、合格発表、卒業、引っ越し、入学といった本人にとっては人生の節目のイベントが相次ぎ、親としてもたった3~4ヶ月前のことが遠い過去のように感じられます。
 
中学では運動音痴なのにテニス部に入って、つらいこともあっただろうけど、あえて苦手な世界に飛び込んだ娘をぼくは誇りに思います。高校では得意分野で活躍したいということで、念願のオーケストラ部(とは名ばかりで、実態はチェンバー・オーケストラ)に入部し、さらに地域のジュニアオケにも復帰して、今は2つのオケをかけもちしています。音楽専門生ではなく、単なる趣味だけど、青春だな~。これでちゃんと練習すれば文句ない。
 
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<曲名>
喜歌劇「こうもり」(ヨハン・シュトラウス2世)
 
<あらすじ>
遊び人の男が友人に誘われ、妻にナイショでオトナのヒミツのパーティーに参加するが、そこで出会った仮面の美女を口説いたら、なんと自分の妻だった。実は、くだんの友人が仕掛け人だったのである。この友人は、かつてあるパーティーの帰り道、こうもりの仮装のまま路上に放置されたことを根にもっていたが、今回の件でリベンジを果たす。最後は「すべてはシャンパンのせい」ということで、丸く収まる。
これこそ≪酒・女・歌≫の世界。ストーリーは詰めが甘く、いくら仮面を付けているからって自分の妻と気づかず口説くなんて不自然すぎる。演出を現代化するなら、出会い系サイトで口説いた女性が妻だったという感じか。
 
そんなわけで(?)、「こうもり」序曲は高校オケ界では人気曲です(本当)。ゆうちゃんも受験前からやりたがっていたので、めでたく今年度の選曲会議で採用されて大喜びです。昨日初めて合奏したそうですが、たぶんまだこのオペレッタのストーリーも知らない子が多く、曲想が把握できていない模様。みんなでクライバーのリハーサルを聴いてくださいな。(国内盤DVDは日本語字幕付き)
 
<演奏>
カルロス・クライバー指揮南ドイツ放送交響楽団(現・シュトゥットガルト放送交響楽団)
リハーサル(約34分)&本番(約8分)
【1969年12月&1970年1月収録】

ヘンゼルとグレーテル(フンパーディンク)

「一発屋」と呼ばれる人がいます。ドイツの作曲家フンパーディンク(1854~1921)の歌劇「ヘンゼルとグレーテル」の序曲は現在も世界中のオーケストラによって演奏され、オペラ本体も(特にクリスマスの季節に)世界中で上演されますが、ぼくはこの人の他の作品を知りません。
 
<曲名>
歌劇「ヘンゼルとグレーテル」(フンパーディンク)
 
<あらすじ>
第1幕 ヘンゼル(兄)とグレーテル(妹)が森にイチゴを摘みに行く。
第2幕 二人は森で迷い、そして眠りにつく。
第3幕 眠りから覚め、お菓子の家に住む魔女に捕えられるが、やっつけてハッピーエンド。
このオペラはわが家でもなじみ深く、父はかつて(四半世紀前)宮崎の市民オペラの末席で演奏し、また、ゆうちゃんもジュニアオケの末席で演奏したことがあります。ジュニアオケでの演奏は歌をヴァイオリンなどの楽器(上級生が担当)に置き換え、ナレーション付きで「ピーターと狼」のような音楽物語に仕立てた独自抜粋編曲版で、こんな大仕事をサラリーマンの余暇にやってのけた副指揮者のU先生は尊敬に値します。
 
このとき、U先生からいただいたDVDは現在に至るまでぼくが唯一聴いたこのオペラの全曲映像で、ゆうちゃんも当時は小学校低学年でしたが、自分からリクエストして見たがるほど気に入っていました。しかし終幕後のカーテンコールで、やっつけたはずの魔女が満面の笑みで他のみんなと一緒に登場するもんで、「あれー!?生き返ってる!!」と目を白黒させていたっけ。ぼくは「お客様視点」という言葉を思い出した。
 
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<アルバムタイトル>
世紀末の響き~ロール・ピアノによる自作自演集
Famous Composers Playing Their Own Works: Welte Mignon Piano
 
この録音は、作曲者自身が第2幕の「夕べの祈り」(序曲冒頭の主題)とそれにつづく「夢のパントマイム」のピアノ演奏を記録した紙ロール(1905年製作)を現代のテクノロジーで再生したもの。当時の自動ピアノは紙ロールに穴をパンチして鍵盤が下りる位置を記録するという、原理的にはオルゴールの応用でした。おそらく機械性能の限界で起伏に乏しくニュアンスの曖昧な演奏になることを免れませんが、それがかえって夢の世界に相応しい雰囲気を醸し出しています。
 
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<演奏>
ルドルフ・ケンペ指揮ロイヤル・フィル【1961年録音】
♪「お菓子の家」(第3幕)から「夢のパントマイム」(第2幕)にかけて
 
序曲のほか、オペラの様々な場面を(ストーリーの展開とは無関係に)つなぎ合わせ、オーケストラのみで演奏した独自抜粋編曲版(約26分)。序曲もオペラの様々な主題を(ストーリーの展開とは無関係に)散りばめた接続曲ですが、そこには採用されていないお菓子の家(実は魔女の家なんだけど)の場面の豊潤さはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」第2幕の冒頭で描かれたお菓子の国(組曲版には採用されていない)と甲乙つけがたい。
 
ケンペの指揮ぶりは子ども向けのメルヘンなんて考慮はまるでなく、大聖堂のような威容に思わず正座したくなる。しかしもともとフンパーディンクの夢の世界にドビュッシーのようなモヤモヤ感はないし、地に足がついた音楽で大いに結構。短時間でオペラ全曲を堪能したかのような満腹感を味わえる、ありがたい1枚(300円)。

ホイマシペーターの謎

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<曲名>
ホイマシペーター(ハンガリー民謡)
 
<アルバムタイトル>
せかいのASOBIUTA
 
<歌詞大意>
ペーターとパルという仲のよい兄弟がいました。あるときペーターがいなくなってしまいました。パルは心配になってさがしに出かけました。やがてペーターが無事に帰ってきました。そのうちパルも帰ってきて元通り二人がそろいました。(※)
出典 JICA北陸「世界の歌遊び」 www.jica.go.jp/hokuriku/topics/2010/docs/tymfesutaasobi.pdf
 
これは子どもの“遊び歌”だそうです。遊び方はJICA北陸のサイト(上のリンク先)を参照してください。ホイマシというのはこの兄弟の姓と思われます。ぼくは最近までこの歌を知らず、調べても多くの情報を得られないのですが、1960年代の学校教育用レコード『小学校必修フォーク・ダンス集』に収録されているほか、現在もボーイスカウトの低学年層などで歌い継がれている模様。なお、ぼくも元ボーイスカウトですが、わが隊で歌った記憶はありません。
 
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<曲名>
ホイマシペーター(カールマンの「チャルダッシュの女王」より)
 
今日の本題。カールマンのオペレッタ「チャルダッシュの女王」にも同じタイトルの歌があるのです。たぶん、もともとこのオペレッタのために書かれた曲ではなく、のちに誰かが持ち込んで慣例化したと思われます。こういうのはよくあることです。したがって(もともとのストーリーとは直接関係ないので)これを歌う役柄は演出によって異なり、そもそもこの曲を採用しない演出もあります。
 
<歌詞大意>
心を込めて歌うのよ!兄弟の歌を!ホイマシ兄弟、ペーターとパル!悩むのはもうおしまい!それよりキスして!キスほど素敵な楽しみはない!二人の兄弟を見習って、元気よくやろう!
意味不明です。しかも、遊び歌の「ホイマシペーター」と共通するのはタイトルのみで、メロディーも歌詞もまったく別物です。こちらの人生観は確かに「チャルダッシュの女王」です。
 
https://www.youtube.com/watch?v=_CwA9FZAFNk (5分18秒)/Dolly Roll(ハンガリーの人気ロックバンド)
https://www.youtube.com/watch?v=oHHAXUxhmqo (8分53秒)/ブダペスト・オペレッタ劇場
 
皆さんにはすっかりおなじみのブダペスト・オペレッタ劇場(1961年の舞台映像)では、シルヴィア役のわが愛しのマリカでなく、伯爵夫人役のホンティ・ハンナ(Honthy Hanna)が年齢(当時68歳くらい)を感じさせない素晴らしい存在感です(5分07秒から)。
 
この人はハンガリーのオペレッタ界では今も伝説的スターらしく、どれ程の大物かと言うと、ハンガリーで発売されたこの舞台映像のDVDのジャケットはなんと主役のマリカを差し置いてハンナの一人写真です。また、これの数年後(1960年代の半ば)に録音されたハジ・エルツェベト(Házy Erzsébet)主演の全曲録音盤にも出演し、そのLPやCDのジャケットはエルツェベトを差し置いてハンナの一人写真です。最近、同じ役(伯爵夫人)でデビューした元ツンデレ小悪魔系シルヴィアのカロチャイ・ジュシャも彼女に敬意を表するコメントを出しています。
 
さて、不思議なのはハンガリー語で「ホイマシペーター」(Hajmási Péter)を検索してもヒットするのは悉く「チャルダッシュの女王」のほうで、遊び歌のほうはまったく見つけられないことです。遊び歌の「ホイマシペーター」は本当にハンガリー民謡なのでしょうか。この2つの歌はどういう関係なのでしょうか。ハンガリー人に「ホイマシペーターを歌ってください」と言ったら、どっちを歌うのでしょうか。
 
謎です。(←調べてから記事書けよ。)

「チャルダッシュの女王」初演100周年 その2

<曲名>
「チャルダッシュの女王」~幸福は遠くまで追ってはダメ(カールマン)
 
前回(初演100周年記念)のつづきです。歴史あるブダペスト・オペレッタ劇場の3人のシルヴァ(ハンガリー語版ではシルヴィア)で「幸福は遠くまで追ってはダメ」を聴き比べます。場面の説明は「ウィーンとオーストリア・ファンのためのポータルサイト」(Austria-fan.com)を参照してください。
 
「チャルダッシュの女王」ことシルヴィアがこのオペレッタの冒頭で歌う「山こそわが心の故郷」(前回参照)にはこんな歌詞があります。
 
Bist du mein - mußt mein du bleiben, (私をものにしたかったら)
mußt mir deine Seel' verschreiben, (何もかも私に捧げるがいいわ)
muß ich Himmel, dir und Hölle sein! (私はあなたの天国にも地獄にもなる!)
 
そして、「幸福は遠くまで追ってはダメ」にもこんな歌詞が出てきます。シルヴィアは情熱的で積極的な女性なのです。
 
Ja, so ein Teufelsweib (ヤァ、こんな魔性の女は)
fängt dich mit Seel' und Leib (あなたを身も心も虜にする)
fliehst du ans End der Welt, (この世の果てまで逃げたって)
sie dich in Banden hält! (しっかりつかんで放さない!)
Ja, so ein kleines Weib, Ja, so ein Weib, Weib, Weib, Weib, (ヤァ、小柄な女だって)
das hat den Teufel, den Teufel hat's im Leib! (そういう女なら肉体に魔性を秘めている!)
 
歌詞 http://www.naxos.com/education/opera_libretti.asp?pn=&char=ALL&composer=Kalman&opera=Gypsy_Princess (リンク先の画面左側のメニューで幕ごとにドイツ語・英語のいずれかを選択できます。原語はドイツ語ですが、ブダペスト・オペレッタ劇場ではハンガリー語訳で上演されます)
 
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Németh Marika
 
前回紹介の「山こそわが心の故郷」と同じ1961年の舞台映像。衣装を着替えてドレス姿のマリカ。ぼくが特にシビれるのは2回出てくる“Ja”です(1回目は2分29秒~、2回目は4分44秒~)。マリカは吐息まじりだけど、ちっともセクシーじゃない!そこが男心をくすぐるのです。本当はそんなキャラじゃないくせに、ちょっと背伸びして「私って、魔性の女よ。」と大人ぶっている、そこがかわいいのです。ここをいかにも妖艶に歌うのはぼくの好みではない。ダンスのキレはイマイチだけど、ぼくはこの吐息ですべてを許す。
 
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Kalocsai Zsuzsa
 
時代は下って、カロチャイ・ジュシャ。ツンデレ小悪魔系の彼女がシルヴィアを歌った1999年の来日公演はTV放映され、全国の視聴者(主にぼく)を魅了しました。1つ目の舞台映像は時期不明ですが、来日公演とは演出が変わり、おそらく2000年代の前半。マリカ時代から40年。統制の取れた舞台には隔世の感があります。
 
2つ目はジュシャが(TV番組の企画で?)ジプシー・バンドと共演した映像。屋外仮設ステージでリラックスして楽しみながら歌うジュシャには大人の女性の余裕が漂います。劇場での最近のジュシャはシルヴィアを卒業し、侯爵夫人の役をレパートリーにしているようです。侯爵夫人はシルヴィアの婚約者の母親で、実は自身も「チャルダッシュの女王」だったという過去を隠している(しかし最後に暴露される)役です。そして、劇場に来る人はみんなジュシャがシルヴィアだったことを知っている。なんて素晴らしいキャリアの重ね方だろう!
 
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Fischl Mónika
 
ジュシャの後を継いだフィシュル・モーニカもシルヴィア歴はすでに10年以上となり、ベテランの域です。彼女は今年の年末年始に予定されているブダペスト・オペレッタ劇場の来日公演にも参加しますが、すべてガラコンサートで、残念ながらオペレッタの上演は皆無です。これは2009年の舞台映像。彼女のシルヴィアは「女王」と言うより「女王様」です。近寄りがたい。
 
というわけで、3者3様のシルヴィア。「幸福は遠くまで追ってはダメ」は毎年多くの中学生・高校生によって演奏される鈴木英史さんの吹奏楽編曲「チャルダッシュの女王」セレクションでも大きなウェイトを占めており、この記事が青少年諸君の演奏解釈の一助となることを願います。

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Author:violin20090809
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