2010/03/26
2010/03/20
フルートと通奏低音のためのソナタBWV1034(バッハ)
2010/03/14
コントラバス協奏曲(クーセヴィツキー)
クーセヴィツキー?
その名前の音楽家と言えば、セルゲイ・クーセヴィツキー(1874~1951)。ロシア出身で、ボストン交響楽団の常任指揮者を25年も務めた人物です。レナード・バーンスタインは門下の一人。また、同時代の作曲家に多くの作品を委嘱したことでも歴史に名前を残しています。例えば、ラヴェル編曲の「展覧会の絵」、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」など。
<曲名>
コントラバス協奏曲嬰ヘ短調(クーセヴィツキー)
そのクーセヴィツキーが作曲したコントラバス協奏曲。これが実に暑苦しくて胸に迫る、グラズノフ路線のロシアン・ロマンなのです!
当盤の解説によると、1905年初演(於/モスクワ)。クーセヴィツキーの指揮者デビューは1908年。ボストン交響楽団の常任に就任したのは1924年。つまり、誰も将来の名指揮者とは知らない、30歳前後の青年の作品というわけです。全3楽章で16分程度。各楽章間に明確な切れ目はなく、グラズノフのヴァイオリン協奏曲のように全曲通して演奏されます。
<演奏>
ゲリー・カー(コントラバス)、Uros Lajovic指揮ベルリン放送交響楽団
【1979年録音、KOCH SCHWANN】
http://www.allmusic.com/album/virtuoso-double-bass-concertos-mw0001352539
第1楽章 http://www.youtube.com/watch?v=KtG7XrX6xtU (5分54秒)
第2楽章 http://www.youtube.com/watch?v=86tNB7MJKeo (6分05秒)
第3楽章 http://www.youtube.com/watch?v=EV2pu_XMpLo (5分31秒)
特に、グリエールばりのメランコリックな第2楽章は、心底、悶絶します。
それにしても、なぜコントラバスなのか?チェロ協奏曲でもいいじゃん。
…そんなことを言ってはいけません。クーセヴィツキーは、もともとコントラバス奏者だったのです。初演のソリストも作曲者自身。後年、自作自演の録音(第2楽章のみ)も残しています(→ http://www.youtube.com/watch?v=1fTexStjP_A )。
現代の名手ゲリー・カーが使用している楽器は1611年製のアマティ。これはクーセヴィツキー未亡人から贈られた遺品だそうです。ひょっとしたら、この2つの録音は同じ楽器が使われているのかも。
ところで、山口百恵の「冬の色」はクーセヴィツキーの協奏曲の第1楽章の第1主題のパクリという疑惑がありますが…
「あなたか~ら(ジャン)、許され~た(ジャン)、口紅の色は~♪」
判定はいかに。