左手のための「別れの曲」(ショパン/ゴドフスキー編曲)

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例の彼女の初恋物語の余韻に浸っていたら、いつの間にか、ゆうちゃん(小学4年)の話題に特定の男の子が登場するようになっていた。
 
出会いは、昨年の夏。ゆうちゃんの親友(女の子)が「ほかのクラスにバイオリンを習っている男の子がいるよ。」と教えてくれて、ある日の掃除の時間、ゆうちゃんから彼に「君、バイオリン習ってるでしょ。」と話しかけたらしい。なんと積極的な。誰に似たのか(ぼくかな)。でも、違うクラスなので、それほど話したり遊んだりする機会もなく。
 
そんな二人が今年初めて同じクラスになった。燃え上がるライバル心。お互いの音を聴いたことがないので、「インチキバイオリン!」「偽バイオリン!」と子どもっぽい憎まれ口をたたき合う。
 
その彼が、ゆうちゃんの誘いでジュニアオーケストラの練習に参加することに。先日初めて彼が参加し、ようやくお互いの実力を認め合う。というわけで、今は「私たちのバイオリンは遊び半分じゃないよね♪」と意気投合しているらしい。
 
バイオリンを習っている子は少数派。学校でバイオリンの話ができる子はこれまでいなかったから、うれしいのかもしれない。実力も拮抗しているみたいだし、二人はお互いの存在を意識して練習に励んでいます。切磋琢磨、大いに結構。これまで毎週日曜日のオーケストラの練習には親が付き添っていたけど(オーケストラの練習場は電車で30分くらい)、二人で通うようになる日も遠くないかも。
 
しかし!お父さんはそれ以上の関係は認めていないぞ。
 
わ~か~れ~ろ~。
 
<曲名>
左手のための「別れの曲」(ショパン/ゴドフスキー編曲)
「ショパンの練習曲による53の練習曲」より
 
<演奏>
ホルヘ・ボレット(ピアノ)【1974年録音、DECCA】
http://tower.jp/item/558978/ショパン:ゴドフスキー版練習曲とワルツ
 
編曲の技術、演奏の技術も感嘆に値するけど、この曲を「左手だけで弾く」というゴドフスキーの発想がすごい。調性は原曲(ホ長調)を半音下げて変ニ長調。これがまた耽美的でなんともよいのです。今この瞬間の別れではなく、過去の美しい別れを回想するような…。大人の音楽。
 
参考演奏 William Yang (10 yrs)
http://www.youtube.com/watch?v=RyRSebdwaL8 (演奏は1分21秒から始まります)
 
今のところ、ゆうちゃんと彼は単なる仲良しの友だちです。これから同じオーケストラで弾くようになってどうなるか…。でも、いずれ二人の仲は引き裂かれるのです。なぜなら、ゆうちゃんは転勤族のお父さんの子どもだから。将来、大人になったゆうちゃんが子ども時代を振り返って「あれが初恋だったのかも。」と思うときは来るのかな。
 
しばらく、見守ってあげることにしよう。
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The Man I Love(ガーシュウィン/アール・ワイルド編曲)

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(前回のつづき)
 
ぼくのことを「初恋の人」と言ってくれたKちゃんと、27年ぶりの再会。
 
Kちゃん : 本当に会えるなんて…夢みたい。
ぼく : ああ。ぼくもだよ。
Kちゃん : えっと、あの、その。どうしよう…私、緊張してる。
ぼく : そんな君もかわいい。予約している店があるんだ。行こう。
Kちゃん : あ、あの。腕、組んでもいい?
ぼく : ああ。
Kちゃん : うれしい☆ 私、初恋の人と腕、組んじゃった(*^^*)
ぼく : ここだよ。
Kちゃん : 素敵なお店。
ぼく : 二人の再会に乾杯。
スタッフ一同 : (なぜか拍手)
Kちゃん : なんか恥ずかしい☆ 私、今、最高に幸せ。
ぼく : ぼくもだよ。
Kちゃん : あ、あのね。私、直接言いたかったの。
ぼく : 何を?
Kちゃん : (深呼吸して)Loree君…私の初恋の人。なんです。
ぼく : ありがとう。もう一回、聞きたい。
Kちゃん : え~恥ずかしい(><) でも、言うね。私、大好きだったの。それなのに、Loree君ったら、何も言わずに転校して…。
ぼく : つらい思いをさせたね。今日はずっと一緒にいよう。
Kちゃん : 本当?私、今日は帰らないって言ってきたの。
ぼく : 今日の部屋、スイートを取っているんだ。
Kちゃん : もう。Loree君ったら☆
 
以上、妄想おわり。
 
昨夜、Kちゃんと会いました。Kちゃんは小学1~2年のときの同級生。その後ぼくは転校し、お互いにまったく消息不明だったので、記憶は小学2年のまま。いったい、何から話せばいいのか…というのは、結果、まったくの杞憂。
 
果たして、大人になったKちゃんは、思わず抱きしめたくなるようなキュートな女性(抱きしめたいけど、なんとか踏みとどまる)。とても同い年には見えない。素直で、ちょっと天然。めっちゃかわいい!でも、苦労も経験し、今は実家の近くで一人暮らし。
 
子どもの頃の話、学生時代の話、仕事の話。それに、お互いの結婚生活のこと。話すことはいくらでもあり、時間はあっという間に過ぎます。
 
Kちゃんの初恋は、こんな話でした。
 
小学2年の終業式当日か、その直前くらいのこと。ぼくは教室の後ろにあったロッカーの所にKちゃんを呼び寄せ、キーホルダーを1つあげたらしい。う~ん…まったく記憶にないけど、当時、確かにぼくはキーホルダーを集めるのが趣味でした。その中の1つをあげるということは、自分としてはお別れの印だったのかも。
 
でも、Kちゃんはぼくが転校することを知らなかった。春休みの間もキーホルダーを大切に持っていて、3年のクラス替え発表のとき。「Loree君は何組になったのかな。」と、ぼくの名前を探しても見つからず、転校したことを知ったKちゃん。そのときの胸の内は…。当時は恋なんて分からないけど、後年、振り返って、あれが初恋だったんだな、と気づく。
 
ぼくは、本人からこんな話を聞くことができて幸せだな。彼女も、初恋の人(ぼく)と会えるなんて「夢にも思わなかったこと」が今日現実になっている。それを心から喜んでくれていたと思います。
 
もし、キーホルダーをKちゃんに渡した当時の自分に会いに行くことができるなら、“彼”に「君は今から27年後、Kちゃんから初恋だったと聞き、再会することになるんだ。」と、余計なことをあえて教えてあげたくなる。
 
キーホルダーは高校生の頃まで持っていてくれたそうです。家の建て替えをしたときに行方不明になってしまったらしい。ぼくとしては、何年後でもいいから、荷物の奥から思いがけず見つかって、二人でそのキーホルダーを肴に飲みたい。そんな日が来たら、なんて素敵なことかと思うのです。
 
二人で過ごした時間、彼女を口説くつもりはなかったし、もちろん彼女だって、今はぼくに特別な感情を持っているわけじゃない。それは明らか。それでいい。そうでなければならない。でも、それなりに年齢を重ねてきた今、タイムトンネルを通り抜けたような時間を過ごしたことは、これを大人の特権というのかもしれない。
 
<曲名>
The Man I Love(私の彼氏) (ガーシュウィン/アール・ワイルド編曲)
“Seven Virtuoso Etudes”より
 
<演奏>
アール・ワイルド(ピアノ)【1976年録音】
http://tower.jp/item/541311/アール・ワイルド
http://www.youtube.com/watch?v=yTo-Nk6G79g
 
曲名と記事の内容は関係ありません。でも、今、ぼくの心に残っている昨日の余韻を、この曲以上に包んでくれる曲は思いつかないのです。

トロイメライ(シューマン/ヨゼフ・シュトラウス編曲)

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「私の初恋の人」。
 
そんなこと、初めて言われた。
 
ぼくは小学2年まで都内に住んでいましたが、その後、隣県に転校。仲の良かった男友だちも、最後に会ったのは学生時代。20代のうちはつづいていた年賀状も、いつしか途絶えていました。
 
あるSNSの同窓会コミュニティを通じて、思いがけず彼らと「再会」(実際にはまだ会ってない)を果たしたのはつい1ヶ月前。このSNSには音楽を通じて知り合った方からのお誘いで最近登録してみたけど、まさかそれが旧友につながる扉だったとは!人生の巡り合わせとはなんと美しい。SNS、凄すぎる。
 
同じクラスだったKちゃんから、そんな話を聞くとも思わなかった。背の順で並ぶといつも最前列だったぼくとKちゃん。彼女は、ぼくが転校することになった2年生の終業式に交わした会話を覚えていると言うけど、その内容はまだ聞いていない。
 
月日は流れ、27年。そんなKちゃんと来週、二人で会うことに。でも…彼女の甘美な思い出はこの日をもって終わるのかもしれない。こんなに長い時間を置いて会うという経験をしたことがない。恍惚と不安の二つわれにあり、なのです。
 
<曲名>
トロイメライ(シューマン/ヨゼフ・シュトラウス編曲)
 
<演奏>
アルフレッド・ヴァルター指揮スロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団
【1994年録音、MARCO POLO】
http://ml.naxos.jp/album/8.223562 (オーケストラ名の記載がジャケットと異なる)
http://www.amazon.com/dp/B000QQP1E8 (同上)
(試聴できます)
 
ワルツ王ヨハン・シュトラウス2世の実弟、ヨゼフの編曲による管弦楽版。
 
子ども時代の美しき思い出。

プロフィール

violin20090809

Author:violin20090809
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