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2010/11/30
○昭和のはじめ、こっそり潜り込んだ銀座のダンスホールで初めてバンドネオンの音を聴き、ショックで身体が動かなくなった。まだ15歳だったので外へつまみ出されたが、以来、それまでやっていたアコーディオンに見向きもしなくなった。弾き方は似ていても、バンドネオンの音はアコーディオンと全く違う、深い魅力があった。
○20歳になる1939年に大連に渡る。ダンスホールに所属するバンドに入ったが、一番の下っ端である自分はいつも先輩から「やめろー!」と怒鳴られて手をひっぱたかれた。誰もきちんと教えてくれない。左右にそれぞれ30以上のボタンのあるバンドネオンは、ドレミファだけでも弾き方が幾通りもある。コツコツ勉強した。
○日本に引き揚げると、焼け野原にダンスホールがたくさん生まれていた。東京のバンドに所属し、全国を回り、映画やテレビを含めてたくさんの仕事をした。休日はおおみそかしかなかった。1950年から福岡で25年ほど活動。その後、神戸に移るつもりだったが、途中で立ち寄った広島でクラブのオーナーに誘われ、そのまま居ついてしまった。
○今も使っているバンドネオンは、名手フェデリコ・スコルティカティから譲り受けたもの。まさに本場のアルゼンチンで伝説のマエストロが弾いていた楽器である。彼らマエストロたちの音は、若い者のそれとは違う。その人独自の音を持ち、ゆっくりとした曲でも聴衆を引きずり込む。自分も長い修業の末にようやく「心にしみる音色」などと言ってもらえるようになった。
○昨年暮れに90歳になった。今年はその記念に東京をはじめ国内3都市をコンサートで巡っている。1995年、タンゴの故郷アルゼンチンのブエノスアイレスを初めて訪れ、尊敬する巨匠オスバルト・プグリエセの墓前で「あなたの代わりに90歳の記念コンサートをします」と誓ったからだ。11月まで神戸や広島でコンサートを開くが、それで終わるつもりはない。100歳のコンサートも、絶対にやろうと思っている。
2010/11/21
2010/11/13
2010/11/07
※初めて自分で買ったCDたち■シャルパンティエ/テ・デウム(ミシェル・コルボ指揮)
■パーセル/歌劇「ディドーとエネアス」(コリン・デイヴィス指揮)
■ヘンデル/合奏協奏曲集作品3(レイモンド・レパード指揮)
■ロカテッリ/「ヴァイオリンの技法」作品3抜粋(イ・ムジチ)
■J・C・バッハ/交響曲集(ネヴィル・マリナー指揮)
Author:violin20090809
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