禁じられた遊び/無伴奏ヴァイオリン編曲版

新シリーズ「CD整理法」、第2回はヴァイオリンです。
 
ヴァイオリンのCDは4箱あります。わが家のライブラリーでは「古楽」と並ぶカテゴリーです。ぼくがヴァイオリンを聴くようになったのは、中学生の頃に近所の図書館から借りて読んだ「音楽365日」とかいう本で、ジャック・ティボー(1880~1953)というヴァイオリニストが唯一、ぼくと同じ誕生日だと知ったことがきっかけの一つだったと思います。
 
そんなわけで、高校生になってから自分でティボーのCDを買って聴いてみると、これがまあ酷い音
 古い録音(1930年代)を聴き慣れていなかったことに加えて、今から思うとそのCDは貧弱な復刻で、この音でガッカリしたのも仕方ない。でもそれに懲りることなく、やがてクライスラーやハイフェッツを聴きまくるようになったのだから、謎です。
 
そんなわけで、曲よりもヴァイオリニストへの興味が先立ち、曲別ではなくヴァイオリニスト別に並べています。仕分けに悩むのは複数のカテゴリーに該当しそうなCDです。例えばシュメルツァー(前回紹介)やバッハのヴァイオリン協奏曲集は「ヴァイオリン」ではなく「古楽」扱いです。でも、バッハとモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を1枚に収録したCDは「ヴァイオリン」の箱に入れます。要するに1枚のCDが「古楽」カテゴリーの作曲家で完結している場合は「古楽」、モーツァルト以降の作品との組み合わせになっていたら「ヴァイオリン」に仕分けています。気分の問題。
 
ヴァイオリン 【その1】
○19世紀~20世紀初頭生まれのヴァイオリニスト
(クライスラー、エルマン、ハイフェッツ、ミルシテイン)
 
ヴァイオリン 【その2】
○20世紀初頭~戦前生まれのヴァイオリニスト
(プシホダ、シュムスキー、シェリング、グリュミオー、ヴァルガ、フェラス)
 
ヴァイオリン 【その3】
○コンサートマスター出身、元・神童、女性ヴァイオリニスト
(オドノポソフ、メニューイン、レビン、ボベスコ)
 
ヴァイオリン 【その4】
○戦後生まれのヴァイオリニスト
 
上記のカッコ内の名前は10枚以上持っているヴァイオリニストです。メニューインとグリュミオーはなんで10枚以上あるのか自分でも分かりませんが、他のラインナップには意識せずとも必然的に自分の好みが表れています。なお、グラッペリも10枚以上ありますが、「ジャズ」の箱に入れています。20枚以上あるのはハイフェッツ、プシホダ、ボベスコの3人だけです。
 
もちろん10枚未満でも好きなヴァイオリニストはいます。そもそも録音が少なくて復刻も少ない、愛しのキュルティを筆頭に、マルツィ、カンポーリ、バルヒェットも脳内シェア上位です。現役ではカプソンとゆうちゃん。
 
並べ方はヴァイオリニストの生年順。但し、コンマス出身のソリスト(オドノポソフ等)や女性ソリスト(ボベスコ等)は「探しやすさ重視」で固めています。この並べ方は「曲別」の検索に弱く、例えばチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は誰のCDを持っているのか、すぐに把握できないのが難点です。
 
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<曲名>
Spanish Ballad(スペイン民謡/ルッジェーロ・リッチ編曲)
 
<演奏>
ルッジェーロ・リッチ(ヴァイオリン)
http://www.youtube.com/watch?v=jGeD8cgdqN4 (3分15秒)
 
いわゆる「禁じられた遊び」です(リンク先のライヴ動画は「アルハンブラの思い出」と誤記)。ナルシソ・イエペス編曲のギター独奏で有名なこの曲を、リッチはなんと無伴奏ヴァイオリンで弾いている!ちなみにリッチは「アルハンブラの思い出」の無伴奏編曲もあります。「ギターのほうがいいじゃん。」という指摘は野暮。そんなことは分かっているのです。ヴァイオリンで弾いてみるという発想がすごい。リッチのアルバムは凝った企画が多く、ヴァイオリン好きならカタログを開いただけで興奮します。
 
次回はピアノ編です。
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ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ(シュメルツァー)

女性問題で謹慎していましたが(※)、今日から復帰します。(※ウソです。)
 
新シリーズのテーマは「CD整理法」です。こんな話をするとき、所有枚数はどうでもいい。数あるCDをどんなカテゴリーに仕分け、どんな順番で並べるか。これこそ本題です、間違いない!
 
わが家はCDを棚に並べず、箱詰めにしています。各箱ごとに「古楽」「交響曲」「ヴァイオリン」「ピアノ」等のカテゴリーに仕分けているのですが、それぞれキチキチに詰めるので、いったん仕分けると追加する余地がありません。
 
そこで「未分類」という箱を用意して、新しく買ったCDはそこに仮置きします。その箱が一杯になったらカテゴリーごとの箱に振り分けるのですが、この作業が難しい。各箱の中の並べ方にも一定のルールを設けているので、1枚1枚のCDを入れる位置を吟味します。そして必然的に同数のCDが押し出され、別の箱に移っていきます。まるでパズルです。数日がかりの作業です。今の家に引越して来たときにカテゴリーの仕分けをしてから早4年。「未分類」が3箱たまって、先日ようやく再仕分けをしました。
 
というわけで、Loree流「CD整理法」を堂々公開。第1回は「古楽」です。古楽のCDは4箱あります。「バッハ」と「バッハ以外」がほぼ半々です。(追記:2013年に再仕分けして5箱になりました)
 
古楽 【その1】
○中世~ルネサンス
16世紀の世俗舞曲集(「ダンスリー」「テルプシコーレ」等)が半分以上を占めます。ルネサンスの定番レパートリーと言うべきパレストリーナとかジョスカン、それといわゆる「ドイツ3S」のCDは持っていません。
○イタリア・バロック
1680年代以前の生まれの作曲家(モンテヴェルディ、アルビノーニ、ドゥランテ等)を生年順に並べています。但し、ヴィヴァルディはスペースの都合上、【その2】に移しました。
○フランス・バロック
1680年代以前の生まれの作曲家(シャルパンティエ、マレ、F・クープラン、ラモー等)を生年順に並べています。
○チェンバロ名曲集
 
古楽 【その2】
○ヴィヴァルディ
最初に「四季」を固めています。同曲異演のCDは録音年代順に並べます(これは他のカテゴリーにも共通するマイルール)。次に「作品2」「作品3」「作品10」「作品13」といった順に並べて、あとは適当。
○テレマン
最初に「ターフェルムジーク」を固めて、あとは適当。
○ヘンデル
最初に「水上の音楽」を固めています。次に「作品1」から「作品7」まで順に並べて、あとは適当。
 
古楽 【その3】
○バッハ(BWV順)
○グールドのCDは古楽の箱には入りきらないので、【ピアノ】の箱に疎開させることにしました。
 
古楽 【その4】
○バッハのつづき(BWV順)
○バッハ(シンフォニック・バッハ、ジャズ・バッハ等の編曲もの)
○末期バロック~初期古典派
「バッハの息子たち」と「その他の人々」の2グループに分けています。後者は1690年代生まれ(クヴァンツ等)から1740年代生まれ(ボッケリーニ、コジェルフ等)まで、並べ方は「なんとなく時代順」といった程度。
 
古楽 【その5】(2013年新設)
○ヴァイオリン
○その他(いわゆるバロック名曲集)
ヴァイオリン関係を独立させました。作曲家で言うとシュメルツァー、ビーバー、ヴェラチーニ等ですが、特定の作曲家に分類できないオムニバス盤(バロック・ヴァイオリン曲集)が多数あります。箱の容積を考慮しながら、何と何を組み合わせ、どこで区切るかを考えるのが難しいのです。
 
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<曲名>
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ短調(シュメルツァー)
 
<演奏>
エレーヌ・シュミット(ヴァイオリン)
ヤン・クリゴフスキー(ヴィオローネ)
ステファン・ラート(キタローネ)
イェルク=アンドレアス・ベッティヒャー(クラヴィオルガヌム)
【2005年録音、Alpha】
http://ml.naxos.jp/album/alpha109
 
解説めいたことを書くのは今回の記事の趣旨ではありません。先ず冒頭、通奏低音の一撃が聴き手のハートを撃ち抜きます。すぐに入ってくるヴァイオリンのただ事ならぬ音!青白い光を帯び、一振り二振りすると火花が散る。これぞ妖刀村正。エレーヌ・シュミットの表現力も物凄い。見得の切り方も迫真。この音楽を支配するのは「歌」ではなく「語り」です。思わず息を呑む名場面の連続!モダンでは、こうはいかない。「歌うヴァイオリン」だけがこの楽器の魅力ではないと思い知ります。
 
次回の「CD整理法」はヴァイオリン(モダン)編です。

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