2012/06/14
タカ : 今回の曲は?
トシ : アレクサンドル・セルゲイエヴィチ・タニェエフの交響曲第2番。
タカ : ああ、2010年に大阪交響楽団が定期で取り上げて、テレビでも全国放送された、あの!
トシ : それはセルゲイ・イヴァノヴィチ・タニェエフ。しかも第4番だよ!
タカ : アレクサンドル・セルゲイエヴィチ!セルゲイ・イヴァノヴィチ!
トシ : 欧米か!
ロシアです。
<曲名>
交響曲第2番変ロ短調(A・S・タニェエフ)
タニェエフと言えば、児玉宏さん率いる大阪交響楽団(旧・大阪シンフォニカー交響楽団)が2010年6月の定期演奏会でセルゲイ・イヴァノヴィチ・タニェエフ(1856~1915)の交響曲第4番を取り上げ、後日、NHK教育の「オーケストラの森」(N響アワーがない日の番組)でも放送されました。
今回のタニェエフは大阪交響楽団が取り上げたセルゲイ・イヴァノヴィチ・タニェエフの叔父に当たる、アレクサンドル・セルゲイエヴィチ・タニェエフ(1850~1918)。甥タニェエフもあまり有名とは言えないのに、いわんや叔父をや。叔父タニェエフはリムスキー=コルサコフに学び、バラキレフと親交があり、ロシア地理学協会の民謡部会でも活躍したそうですが、CDの解説が英語で書かれているので、詳しいことは分かりません(←英検4級)。
しかし!その音楽は紛れもなくロシア。第1楽章の冒頭、すぐにコーラングレ(イングリッシュホルン)が奏でる第1主題はまるでロシア民謡。また、第3楽章はチャイコフスキーの5番の第2楽章と、同じく6番の第2楽章の中間部を足して2で割ったような(ホルンの長大なソロがあるわけでなく、5拍子でもないけど)深々とした呼吸が心に残ります。亜流と言うならば言え。チャイコフスキーの交響曲に押し付けがましさを感じるぼくは、あえて叔父タニェエフを選びたくなることがしばしばあります。
1902年作曲。当時としてはすでに時代遅れだったとしても、現代人(ぼく)には関係ない。どこを切ってもロシア。グレチャニノフ(前回紹介)のような「これがロシアの交響曲だ!」という強烈な自己主張ではなく、「交響曲を書いたらロシア色がにじみ出た」といった感じが実にいい。しかも、まとまりがある。グレチャニノフの次に来るのは、A・S・タニェエフです。たぶん。
<演奏>
ウェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮フィルハーモニア・フンガリカ【1986年録音、Marco Polo】