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交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク)

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<曲名>
交響曲第9番ホ短調「新世界より」(ドヴォルザーク)
 
ゆうちゃんが久しぶりにオーケストラに参加することになりました。実は、ぼくは苦手な曲です。決して、高校時代の元カノが大大大好きな曲だったことがトラウマになっているわけではありません。ほ、ほんと。これから練習を始めるゆうちゃんのために、わが家にある音源を調べてみたら、以下の通り10数枚ありました。
 
【1953年】アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団[RCA](1953年2月2日録音)LP
【1957年】コンスタンティン・シルヴェストリ指揮フランス国立放送管弦楽団[EMI原盤/SPECTRUM](1957年7月録音)
【1958年】ジョン・バルビローリ指揮ハレ管弦楽団[EMI原盤/Disky](1958年9月3日録音)
【1960年】ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団[SONY](1960年3月20~21日録音)LP
【1961年】イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン・フィル[DECCA](1961年3月22~24日録音)LP
【1964年】ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル[DG](1964年3月4~5日録音)
【1972年】ルドルフ・ケンペ指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団[SCRIBENDUM]
【1972年】アレクセイ・ポポフ指揮キュイビシェフ・フィル[Selectmedia]
【1974年】ヴァーツラフ・スメターチェク指揮プラハ放送交響楽団[LE CHANT DU MONDE]
【1975年】小澤征爾指揮サンフランシスコ交響楽団[PHILIPS](1975年5月録音)妻所有
【1975年】ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮NHK交響楽団[Altus](1975年12月10日録音)
【1981年】エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮USSR国立交響楽団[SCRIBENDUM](1981年3月17日録音)
【1984年】クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団[DECCA](1984年10月録音)妻所有
【1985年】ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィル[SONY](1985年2月6~9日録音)DVD
【2001年】準・メルクル指揮NHK交響楽団[Altus](2001年1月27日録音)
 
○トスカニーニとセルはレコード。わが家にはプレーヤーがないので再生できず。トスカニーニ盤には「第5番」と書かれていて、時代を感じます。
○最初に自分で買った演奏は、カラヤン指揮ベルリン・フィル。学生時代、「有名な曲だし、1枚も持ってないのはいかがなものか。」と思って買いましたが、ほとんど聴かず。余白は「モルダウ」。
○バルビローリは、10数年前に友人から聴かせてもらった第7番の凄演が忘れられず買いました。第7番、第8番、「新世界」等々がセットになった3枚組。第7番と第8番以外はほとんど聴かず。
○ポポフは、「ユモレスク」(ヴィクトル・ラビノヴィチ指揮ノボシヴィルスク交響楽団)を聴きたくて買ったら、余白にポポフの「新世界」が入っていた次第。
○スメターチェクとスヴェトラーノフは、凄い演奏らしいとの世評に煽られて買いましたが、ほとんど聴かず。
○マタチッチは、N響定期公演のライヴ。中学1年のある日、同級生のNくん(特にクラシックが好きではない)が、ぼくがクラシック(実はバロック限定)が好きと知ってカセットテープを貸してくれた演奏。Nくんのお父さん秘蔵のエアチェックテープを無断で持ち出してきたらしい。そんな思い出があって初CD化の際に買いましたが、未開封。
○準・メルクルも、N響定期公演のライヴ。一時期、準・メルクルだったら何の曲でも聴いていて、この演奏もFM生放送をエアチェックした上にCDも新譜で即買いしました。
○カラヤン指揮ウィーン・フィルは、≪カラヤンの遺産≫シリーズのお買い得ハイライトDVD。
○小澤とドホナーニは妻所有。演奏の選択に深い意味はないと思われます。
 
とりあえず、カラヤン指揮ウィーン・フィルのDVDを見ました。カラヤンの映像は「音」と「映像」を別録りしていることで有名です。でも、このDVDはライヴ収録だからそんな演出は不可能です。演奏開始前にホール(ムジークフェライン)の風景が映って一安心。
 
ところが、演奏が始まると…ん?やっぱり別録り!?ライヴ録音に合わせて「口パク」で演奏しているとしか思えない不自然さ。え~~そこまでやる??
 
判定はいかに。
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誰でも弾けます!ファンタジア(パーセル)

学生時代のある日、古楽サークルの部室のラジカセで、先輩がヴィオール(ガンバ)のコンソートの曲を聴かせてくれました。「この曲にどういう仕掛けがあるか、分かる?」
 
…もちろん、分かりませんでした
 
<曲名>
ファンタジア(パーセル)
http://www.youtube.com/watch?v=1HyTco7QzFs (6分48秒)
 
コンソート(consort)とは、16~17世紀にイギリスで好まれた、同属楽器(例えば「リコーダー属」や「ヴィオール属」)によるアンサンブルのことです。パーセル(1659~1695)はコンソートの作曲家としてはほとんど末期の存在で、ホルボーン(1545頃~1602)やダウランド(1563~1626)とは1世紀の隔たりがあります。パーセルの数あるコンソートの中でも、某ブロ友さんが以前紹介していたファンタジアは耳を塞ぎたくなるような不協和音が連続する、まるでコンソートの断末魔でした(素晴らしい)。今回紹介するファンタジア(別の曲です)も、別の意味で、成熟したコンソート文化の産物だと思います。
 
さて、どのような仕掛けがあるでしょう(※)。ヒントはこの動画に登場する少女です。あるヴィオール四重奏のコンサートの様子です。客席にいた一人の少女が飛び入り参加することになって、楽器の構え方など即席のレクチャーを受けたあと、すぐに本番の演奏に参加します。「弾くマネ」ではありません!冒頭から最後の一音まで79小節にわたって、リズムの変化あり、テンポの変化あり、それでも少女は休むことなく(途中、ほんの少しだけ脱落しますが)弾きつづけるのです!(本番の演奏は動画の3分00秒から始まります)
 
ヴィオールじゃなくても、例えばヴァイオリン×2、ヴィオラ×2、チェロの弦楽五重奏でも演奏可能。その場合、動画で少女が弾いているパートは第2ヴィオラに相当します。アマチュアの世界では、ヴィオラを習い始めてすぐにオーケストラや弦楽アンサンブルに参加する方も少なくないと思いますが、初めて楽器を持ったその日から上級者との複雑玄妙な弦楽合奏を体験できるなんて、初心者にとってこんな楽しいことがあるでしょうか!(いや、ない。)
 
少女の感激も、いかばかり
 
答えはこちら(上から4番目のパート)→ http://www.youtube.com/watch?v=HgOMXZmQ5-I

リュートのための古い舞曲とアリア

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「ローマ3部作」「シバの女王ベルキス」など、ド派手な管弦楽曲のイメージが強い近代イタリアの作曲家レスピーギ(1879~1936)のもう一つの顔は、古楽リバイバルの旗手でした。有名な「リュートのための古い舞曲とアリア」は16世紀のリュート曲を原曲とする編曲作品で、3つの組曲があり、第1組曲と第2組曲はオーケストラ、第3組曲は弦楽合奏のために書かれています(編曲を手がけた時期も異なる)。
 
<アルバムタイトル>
Ancient Airs&Dances
【1986年録音、Hyperion】
http://www.hyperion-records.co.uk/al.asp?al=CDH55146 (試聴できます)
 
<収録曲>
「第1組曲」の原曲
1)オルランド伯爵のバッロ(シモーネ・モリナーロ)
2)Predetto balloのサルタレッロ(シモーネ・モリナーロ)
3)ポリムニア(ヴィンチェンツォ・ガリレイ)[天文学者ガリレオ・ガリレイの父]
4)イタリアーナ(作曲者不詳)
5)ヴィラネッラ「オルランド、どうか私を思いだして」(作曲者不詳)
6)イタリアーナ(作曲者不詳)
7)パッサメッツォ・ボニッシモ(作曲者不詳)
8)マスケラーダ(作曲者不詳)
 
「第2組曲」の原曲
9)優雅なラウラ(ファブリツィオ・カローゾ)
10)田園舞曲(ジャン=バティスト・ベサール)
11)パリの鐘(作曲者不詳)
12)素敵なアマリリス(アントワーヌ・ボエセ)
13)タステジャータ(ベルナルド・ジアノンチェッリ)
14)ベルガマスカ(ベルナルド・ジアノンチェッリ)
 
「第3組曲」の原曲
15)イタリアーナ(作曲者不詳)~ラ・チェザリーナ(サンティーノ・ガルシ・ダ・パルマ)
16~21)宮廷のアリア(ジャン=バティスト・ベサール)
22)スパニョレッタ(作曲者不詳)[最も有名な「シチリアーナ」の原曲]
23)パッサカリア(ロドヴィコ・ロンカッリ)
 
<演奏>
ポール・オデット(リュート、アートリュート、バロック・ギター)
ロジャース・カヴィー・クランプ(テナー)[12)、16)~21)のみ]
ジョン・ホロウェイ(ヴァイオリン)[9)のみ]
ナイジェル・ノース(バス・リュート)[10)のみ]
クリステル・ティールマン(バス・ヴィオール)[9)のみ]
 
レスピーギの3つの組曲の原曲となった16世紀のリュート曲を集めた名企画。皆さん、ご安心ください。ぼくも知らない名前ばかりです
 
第1組曲(の原曲)はすべてリュート独奏、第2組曲と第3組曲(の原曲)は曲によってリュート独奏、リュート二重奏、リュート伴奏付き歌曲など様々。どこから聴いてもレスピーギとは別世界です。
 
第2組曲の第1曲の原曲、カローゾの「優雅なラウラ」[トラック9]は、当盤ではヴァイオリン、リュート、バス・ヴィオールで演奏しています(原曲にはおそらく楽器指定はない)。この原曲にはさらに原曲があり、それはトスカーナのメディチ家の結婚式(1589年)のためにエミリオ・デ・カヴァリエリが作曲した「大公の舞踏会」(Ballo del Gran Duca)という曲だそうです。
 
この舞曲は当時たいへん人気があり、多くのカバーバージョンがありました(※1)。カローゾはダンス教師だったそうで(※2)、「優雅なラウラ」は彼が著したダンス教本にこの舞曲を引用したことにより、彼の名で後世に伝わったのかもしれません。
 
※1 他の編曲例 http://www.youtube.com/watch?v=bq1St5T8oLc
※2 カローゾのダンス教本については『UNidentified Dancing Objects』~「16世紀イタリアの部屋」参照 http://homepage3.nifty.com/Victoire/index2a.html
 
「ロメオとジュリエット」は14世紀のイタリア・ヴェローナが舞台ですが、シェークスピアがこの戯曲を書いたのはまさに「大公の舞踏会」と同時代。ロメオとジュリエットが出会った舞踏会で演奏された曲が、まさかチャイコフスキーやプロコフィエフのような豪華絢爛な管弦楽曲であるはずがない。シェークスピアがイメージしていたのはこんな音楽ではないか。と、思ってみたりする。

「権兵衛さんの赤ちゃんが風邪ひいた」の主題による行進曲(グラズノフ)

先日、某ブロ友さんの息子さんが風邪をひいて、「ク~ララ~の息子が風邪ひいた~♪」という記事がありましたので、今回はそれにちなんで、しかもロシア4連発、さらに「超有名主題」シリーズも組み合わせた大技。
 
<曲名>
勝利の行進曲 作品40(グラズノフ)
 
冒頭から期待感たっぷりに現れる主題は「リパブリック讃歌」。この旋律がアメリカの南北戦争における北軍の軍歌だったことは、今ではほとんど知る人もいません。「勝利の行進曲」は1893年のシカゴ万国博覧会(コロンブスのアメリカ大陸発見400周年記念)の折にグラズノフに委嘱された作品。任意の合唱パートもあるそうですが、どんな歌詞なのか。初演当時のアメリカ人はどんな思いでこれを聴いたのか。なぜロシア人に委嘱したのか。グラズノフ以外の作曲家に委嘱された作品もあるのか。CDの解説書が英語で書かれているので、詳しいことは分かりません
(←英検4級)。
 
しかし!経緯はともかく!日本人の耳にはこの超有名主題はあの超有名歌詞と密接に結びついていて離れません。トランペットが力強く高らかに「権兵衛さ~んの赤ちゃんが風邪ひいた~♪」と歌い上げる場面(5分00秒~、7分31秒~)は圧巻。万一にでも部屋の外に漏れ聴こえないように音量を絞りたくなるのは…なんでだろう~♪
 
<参考>
「リパブリック讃歌」のルーツと伝播については「世界の民謡・動揺」で詳しく解説されています。

交響曲第2番(A・S・タニェエフ)

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タカ : 今回の曲は?
トシ : アレクサンドル・セルゲイエヴィチ・タニェエフの交響曲第2番。
タカ : ああ、2010年に大阪交響楽団が定期で取り上げて、テレビでも全国放送された、あの!
トシ : それはセルゲイ・イヴァノヴィチ・タニェエフ。しかも第4番だよ!
タカ : アレクサンドル・セルゲイエヴィチ!セルゲイ・イヴァノヴィチ!
トシ : 欧米か!
 
ロシアです。
 
<曲名>
交響曲第2番変ロ短調(A・S・タニェエフ)
 
タニェエフと言えば、児玉宏さん率いる大阪交響楽団(旧・大阪シンフォニカー交響楽団)が2010年6月の定期演奏会でセルゲイ・イヴァノヴィチ・タニェエフ(1856~1915)の交響曲第4番を取り上げ、後日、NHK教育の「オーケストラの森」(N響アワーがない日の番組)でも放送されました。
 
今回のタニェエフは大阪交響楽団が取り上げたセルゲイ・イヴァノヴィチ・タニェエフの叔父に当たる、アレクサンドル・セルゲイエヴィチ・タニェエフ(1850~1918)。甥タニェエフもあまり有名とは言えないのに、いわんや叔父をや。叔父タニェエフはリムスキー=コルサコフに学び、バラキレフと親交があり、ロシア地理学協会の民謡部会でも活躍したそうですが、CDの解説が英語で書かれているので、詳しいことは分かりません(←英検4級)。
 
しかし!その音楽は紛れもなくロシア。第1楽章の冒頭、すぐにコーラングレ(イングリッシュホルン)が奏でる第1主題はまるでロシア民謡。また、第3楽章はチャイコフスキーの5番の第2楽章と、同じく6番の第2楽章の中間部を足して2で割ったような(ホルンの長大なソロがあるわけでなく、5拍子でもないけど)深々とした呼吸が心に残ります。亜流と言うならば言え。チャイコフスキーの交響曲に押し付けがましさを感じるぼくは、あえて叔父タニェエフを選びたくなることがしばしばあります。
 
1902年作曲。当時としてはすでに時代遅れだったとしても、現代人(ぼく)には関係ない。どこを切ってもロシア。グレチャニノフ(前回紹介)のような「これがロシアの交響曲だ!」という強烈な自己主張ではなく、「交響曲を書いたらロシア色がにじみ出た」といった感じが実にいい。しかも、まとまりがある。グレチャニノフの次に来るのは、A・S・タニェエフです。たぶん。
 
<演奏>
ウェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮フィルハーモニア・フンガリカ【1986年録音、Marco Polo】
http://ml.naxos.jp/album/8.223133
http://www.amazon.co.jp/dp/B0000277B0
(試聴できます)
 
“TANEYEV”は「タニェエフ」とも「タネーエフ」とも表記され、未だ定まっていません。この記事では大阪交響楽団の甥タニェエフのプログラムの表記に従いました。

交響曲第1番(グレチャニノフ)

「ロシアの風土のイメージは?」と言うと、「極寒」「永久凍土」「毛皮の帽子」など寒そうなキーワードばかり思い浮かびますが、「ロシアの交響曲は?」と言うと、「東方民族的色彩」「土臭さ」「ほの暗い哀愁」「燃えたぎる血」など暑苦しいイメージばかりなのは…なんでだろう~♪
 
<曲名>
交響曲第1番ロ短調(グレチャニノフ)
 
グレチャニノフ(1864~1956)はポスト・チャイコフスキー世代のロシアの作曲家。モスクワ音楽院でアレンスキーとタニェエフに、ペテルブルク音楽院でリムスキー=コルサコフに師事。また、カリンニコフ(1866~1901)と同世代で、この二人の交響曲第1番は同時期(1894~95年)に書かれています。
 
…と、ここまで書けば聴く前からどんな曲かイメージできそうですが、実際、こんな予備知識がなくても冒頭だけでも聴けばすぐに「ロシアの交響曲」と分かる、期待通りコテコテのロシアン・ローカル・カラー!これを聴くと、チャイコフスキーはずいぶん西欧化されたロシア音楽なんだな、という気がします。
 
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<演奏>
リヒャルト・エドリンガー指揮ジョルジュ・エネスコ国立フィル【1988年録音、Marco Polo/NAXOS】
http://ml.naxos.jp/album/8.555410
(試聴できます)
 
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ヴァレリー・ポリャンスキー指揮ロシア国立交響楽団【1995年録音、CHANDOS】
http://ml.naxos.jp/album/chan9397
http://www.amazon.co.jp/dp/B000000AXN
第1楽章 http://www.youtube.com/watch?v=ujjPhgvwpgY (8分46秒)
 
録音は2種類。結論を先に書くと、意外にもNAXOS盤がいい。ポリャンスキー/ロシア国立響は、角が取れて綺麗に整った音ですが、ぼくはグレチャニノフの演奏にそれを求めません。これは好みの問題。
 
エドリンガーはMarco Polo&NAXOSレーベル黎明期の常連指揮者、ジョルジュ・エネスコ国立フィルはルーマニアのオーケストラ(たぶん)。名前を見て心配する必要はありません。フレーズの大きさ、抉りの深さ、ティンパニの打ち込み。いずれもポリャンスキー/ロシア国立響を凌駕しています。ハープの伴奏に乗ってクラリネットが奏でる第2主題をはじめ、抒情的な主題が現れるたびにぐっとテンポを落とすのも実にいい。このオーケストラの土臭い音色はこの曲に合っているし、少しヴィブラートがかかっているトランペットはロシア国立響よりロシア的。時おりハーモニーが濁ったり、管楽器のソロに「ん?」と思う箇所もあったりして、文句なしとは言いませんが、この交響曲への思い入れが伝わってくる演奏です。
 
何としても、これから演奏機会が増えてほしい曲。カリンニコフの次に来るのはグレチャニノフです。

グリエールのホルン協奏曲を聴きに行こう!

自称27歳なんですけど、先日、大学主催の卒業●●年の式典があり、久しぶりにキャンパスに行ってきました。きっと懐かしい人たちがたくさん来るんだろう、間違いない!と期待して行ってみたら、同学年の出席者は50人にも届かず、知らない人ばかりの中でかろうじてオーケストラの2人に再会できたのは運がよかった。隣の会場では10年上の先輩たちが400人くらい集まって大盛況。例年そんな傾向らしい。ちょっと拍子抜けだったけど、こんな機会でもないと母校に行くこともない。行かない選択肢はない。
 
それにしても、卒業後15年(あっ、言ってしまった)。あのグリエールから15年ということになる。わがオケはメインの定期演奏会(年2回)のほかにも幾つか演奏活動があって、毎年3月の卒業演奏会もその一つ。これはホールを借りてやるわけでもなく、お客さんがたくさん来るわけでもなく、学内の大教室(オケの練習場でもあった)で4年生中心のオーケストラが演奏する、言わば「打ち上げ」的な部内行事ですが、これで最後とばかりの本気の演奏は毎年強烈な印象が残っていて、先輩たちの「ラ・ヴァルス」や「寄港地」は空前絶後の爆演だったし、ぼくたちの学年の「火の鳥」も火ダルマだった(←いろんな意味で)。あとで録音を聴くと空前絶後の乱れっぷりなんですけど、あの熱気はマイクには収まらないのです。
 
卒業演奏会はコンチェルトをやりたい人が自分でメンバーを集めてソリストになるのもお楽しみで、ぼく自身はコンチェルトなんて考えなかったけど、ホルンのK君が選んだのが、この曲。
 
<曲名>
ホルン協奏曲変ロ長調 作品91(グリエール)
 
K君とは部内の発表会で何度もピアノ伴奏させてもらって、同じ作曲家の「間奏曲」作品35-11を合わせたこともありました。ぼくにグリエールを教えてくれたのは彼です。そのとき貸してくれた名女流マリー=ルイーズ・ノイネッカー(元バンベルク響、フランクフルト放送響首席)のCDにはホルン協奏曲も入っていて、これが泣きたくなるほど美しかった。あの「間奏曲」を思わせるメランコリックなノクターンのような第2楽章も、第3楽章の熱きロシアン・ロマンも、これが戦後に書かれた曲とは信じられない。この曲の1番オーボエを吹かせてもらったことは忘れ難い思い出です。
 
<演奏>ラデク・バボラーク(ホルン)、ヤクブ・フルシャ指揮プラハ・フィル【2009年(Live)】
第3楽章 http://www.youtube.com/watch?v=0dKU3MFq70g (7分01秒)
 
卒業後は音信不通になってしまったK君の名前をネットで検索したら、すぐに見つかってびっくりした(でも、外部からの連絡を受け付けない設定になっていた)。彼はアメリカの名門音楽院に留学し、現在は帰国してホルンを仕事にしているらしく、二度びっくりした。
 
K君は来週のN響定期に、きっと現れる。しかも2日連続で。間違いない!
 
NHK交響楽団 第1730回定期演奏会
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
ホルン:ラデク・バボラーク
【日時】6月9日(土)18時~、6月10日(日)15時~
【場所】NHKホール
【曲目】
○組曲「サルタン皇帝の物語」作品57(リムスキー=コルサコフ)
○ホルン協奏曲変ロ長調 作品91(グリエール)
○交響曲第4番ヘ短調 作品36(チャイコフスキー)

藁の中の七面鳥(オクラホマミキサー)の主題による狂詩曲

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毎朝、わが家で最初に起きるのは妻です(5時20分)。どうやって起きているのかは知りません。次に、ぼくが起きます(5時40分)。妻が起こしに来ます。「起きてくださーい」「あと5分」…夫婦の唯一の会話です。最後にゆうちゃんが起きます(6時30分)。自分で携帯の目覚ましをセットしています(でも、すぐに起きないこともしばしば)。ゆうちゃんが目覚ましに使っている曲は…え~と、なんだっけ。よく知っている旋律だけど、何の曲だっけ??
 
<曲名>
アメリカン・ラプソディ(ジンバリスト)
 
<演奏>
レオポルド・ストコフスキー指揮NBC交響楽団【1944年1月16日録音(Live)、Guild】
http://www.amazon.com/dp/B003VSJWWA
 
エフレム・ジンバリスト(1889~1985)はアウアー門下の名ヴァイオリニストで、日本では江藤俊哉さんの師匠としても知られています。ちなみに、彼の息子エフレム・ジンバリスト・ジュニアは「アメリカの有名なテレビ俳優」で、孫のステファニー・ジンバリストも「世界的に人気のある女優」だそうです。もちろん、ぼくは知りません
 
そんなジンバリストの珍しい作曲作品。「アメリカン・ラプソディ」と言うくらいだから、きっとアメリカ人にはおなじみの旋律をふんだんに盛り込んでいるのでしょうけど、冒頭からしばらくまったく知らない旋律がつづき、途中から(4分11秒~)繰り返し現れる聴き覚えのある主題…なかなか聴き手(ぼく)が期待する通りに展開してくれませんが、やがてついに全貌を現す(7分11秒~)
 
おお、そうだ、この曲だ。間違いない!

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violin20090809

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