2012/07/31
世界の国歌
ロンドン・オリンピック、真っ只中。オリンピックと言えば表彰式。表彰式と言えば国歌。というわけで、「世界の国歌」第2弾。
ところで、「君が代」の調性は何調でしょう?記譜はハ長調に見えますが、終わりの音は「レ」だし、四七抜き(ヨナヌキ)音階かな?と思ったら(「ドレミファソラシド♪」の4番目(ファ)と7番目(シ)がない音階)、途中で「シ」が出てきます。そんなわけで、夜も眠れぬほど悩んでいたところ、先日読んだ本に明快に解説されていました。
この曲の音階は雅楽の律旋(リツセン)であって、壱越(イチコツ)の音を主音とするので「壱越調律旋(イチコツチョウリツセン)」の曲と呼ばれる。律旋というのは西洋長音階の第二音(レ)を主音とし、第四音(ファ)を欠き、第七音(シ)を下降進行にだけ用い、第八音(ド)を上昇進行にだけ用いるという形の音階で、壱越という音の高さはほぼ「ニ」の音に当るから、この譜を五線上に書くとハ調長音階と同じように見えるが実質は「ハ」でなくて「ニ」が中心となり、長音階の動き方でなくて律旋の動き方をしているのである。(堀内敬三「音楽五十年史」上巻、講談社、昭和17年初版、昭和52年改訂)
つまり、上昇音階は「レミソラドレ♪」、下降音階は「レシラソミレ♪」という雅楽の音階だそうです。でも、「さざれいしの」の「いし」の部分は下降音階に「ド」を使っているように思えるのは…なんでだろう~♪
では、今日の本題。(←疑問を放置するLoree)
<曲名>
賛歌(シュトックハウゼン)
Stockhausenの短波ラジオの使い方には、ラジオの音の偶然性だけでなく、ラジオの「向こう側の世界」とのつながりを求めているようなロマンチックさも感じます。転換期にあったStockhausenは、短波の音に心のよりどころを求めていたのでは、とも思えます。実際、世界各国の「国歌」を素材にした「賛歌」は、短波ラジオから聞こえた多くの国歌から着想したようです。冒頭、短波のチューニング音で始まり、随所にチューニング音やノイズが聞こえています。そこに、Stockhausenが考えているところの「最もよく知られている音楽」である各国の国歌がコラージュされ、最後は「すべての人類の呼吸のよう」な、静かな呼吸の音で終わっています。短波は、すべての国、人類が一つにまとまっている場(当時は冷戦下でもあった)として考えられていたのではないでしょうか。(「「楽器」としてのラジオ?!」より)
さて、「君が代」はどの辺に出てくるでしょう?(←自分で聴けよ。)