オーボエのパガニーニ

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どの楽器にも、その楽器をやっている人しか知らない作曲家がいるもので、オーボエにもそういう人がいます。
 
<曲名>
ドニゼッティの歌劇「ラ・ファヴォリータ」の主題による協奏曲(パスクッリ)
 
「歌劇○○の主題による華麗なる○○」…19世紀はそんなコンセプトのヴィルトゥオーゾ・ピースが大量生産された時代で、ヴァイオリンの有名な「カルメン幻想曲」もこの類です。アントニオ・パスクッリ(1842~1924)は“オーボエのパガニーニ”とも言うべき存在で、たいへんありがたいことにオーボエのためにヴィルトゥオーゾ・ピースを書いてくれました。(プロフィールと作品解説はこちら。→ http://www.shonanfujisawa.com/~mozart/mozart88.html
 
ただ、ホルン業界におけるフランツ・シュトラウスと決定的に違うのは、フランツのホルン曲はアマチュアでも愛奏していますが、パスクッリのオーボエ曲はアマチュアには手も足も出ないということです。したがって、これは大多数のオーボエ吹きにとって「吹く」対象ではなく、すごいなぁと感心しながら「聴くだけ」というのが正しい付き合い方であります(汗)
 
<演奏>
カルテット・ジェラート【1993年録音、VICTOR】
シンシア・スティリアス(オーボエ)、ピーター・デ・ソット(ヴァイオリン)
クラウディオ・ヴィーナ(アコーディオン)、ジョージ・ミーンウェル(チェロ)
 
1990年代に一世を風靡した「カルテット・ジェラート」の演奏。ぼくは学生時代に師事していたオーボエの先生がカナダで見つけてきたというCDをレッスンのときに聴かせてもらい、これはおもしろい!と思いましたが、当時は国内では入手困難でした。その後、国内盤が発売され、来日公演もおこなわれFMで放送されましたので、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれません。
 
このカルテットは古典派のオリジナル曲からロシア民謡のアレンジまで何でもありのレパートリーで、故・黒田恭一氏が「4人組のケンブリッジ・バスカーズ」なんて、うまいこと評していました。忙しい現代人の方は3分51秒からどうぞ。
 
さらに忙しい現代人の方は、同じカルテット(オーボエは男性奏者に交代している)がカデンツァの部分を演奏している約1分間の動画をどうぞ(→ http://www.youtube.com/watch?v=FWWgyGCi6pk )。演奏そっちのけで目が釘づけとなるアクロバティックな演出は、パスクッリが本質的に人間の限界に挑む作品であることを表現しようという深い意図が感じられる…間違いない?
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ピアノ四重奏曲第1番(ブラームス/シェーンベルク編曲)

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<曲名>
ピアノ四重奏曲第1番ト短調(ブラームス/シェーンベルク編曲)
 
<演奏>
(1)準・メルクル指揮NHK交響楽団【1998年録音(Live)、Altus】
 
(2)準・メルクル指揮MDR交響楽団【2007年録音、Querstand】
 
(1)は1998年4月29日のN響定期。ぼくは当夜のFM生放送を偶然聴いていなかったら、この曲を好きになっていたかどうか分からない。音質良好とは言い難いエアチェックテープを何度聴いただろう。だから、2~3年後にアルトゥスからCD化されたときは目を疑った。でも、なぜか他人事のような醒めた音になってしまっている理由がぼくには分からない。
 
白眉は第3楽章。こんなにたっぷり歌う演奏をほかに知らない。なんで他の指揮者はせかせかと足早に振り急ぐのか。そしてマーチ風の中間部は一転してほかの誰もやらない快速テンポで、ディズニーランドばりのカラフルなサウンドを撒き散らす。も~!快感
 
第4楽章もメルクルの独壇場。場面ごとの緩急の変化が大胆でドラマチック、まるで劇的なオペラの終幕を観ているかのようで、途中でトイレに立つことなんてとてもできない。
 
(2)は待望の再録音(オーケストラは旧・ライプツィヒ放送交響楽団)。基本的な解釈は変わらないけど、(1)とは一長一短で、どちらかを選ぶのは究極の選択となる。一発ライヴで傷だらけの(1)と違い、(2)は細部をつくり込んで凝っている反面、棒のしなやかさが減じて流れが人工的と感じる。メルクルは緻密な音楽づくりをしたいのかもしれないが、そんな演奏はほかにもある。(1)の感興と(2)の精度を兼ね備えた第三の録音が真の待望。
 
○ディスコグラフィ
(録音年代順)
【1938年】オットー・クレンペラー指揮ロサンゼルス・フィル[Archiphon](1938年5月7日録音)■
【1938年】アルトゥール・ロジンスキー指揮NBC交響楽団[St-Laurent Studio](1938年12月24日録音)
【1962年】エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団[Vibrato](1962年11月17日録音)■
【1964年】ロバート・クラフト指揮シカゴ交響楽団[SONY](1964年7月20日録音)※1
【1978年】若杉弘指揮ケルン放送交響楽団[Koch Schwann原盤/ALTUS](1978年3月17日録音)
【1979年発売】ハンス・ツェンダー指揮ユンゲ・ドイチェ・フィル[DG原盤(LP)/Berlin Classics]★
【1979年】ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮王立ストックホルム・フィル[MELODIYA](1979年2月9日録音)LP
【1982年】グスタフ・クーン指揮シュトゥットガルト南ドイツ放送交響楽団[自主制作盤](1982年11月24日録音)LP
【1983年】エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ベルリン・フィル[Fkm](1983年6月21日録音)■★
【1983年】セルジュ・コミッショーナ指揮ボルティモア交響楽団[VOX]
【1984年】サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団[EMI](1984年6月19日録音)
【1985年】マイケル・ティルソン・トーマス指揮バイエルン放送交響楽団[SONY](1985年2月6~8日録音)
【1988年】ネーメ・ヤルヴィ指揮ロンドン交響楽団[CHANDOS](1988年7月11~13日録音)※2
【1989年】クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団[自主制作盤(クリーヴランド管弦楽団75周年記念)](1989年10月26~28日録音)
【1990年】ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮ロンドン・フィル[Collins原盤/Retrospective Revival](1990年3月録音)
【1990年】ジェフリー・サイモン指揮ロンドン交響楽団[CALA](1990年10月1日,10月3~4日録音)
【1991年】ミヒャエル・ギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団[Intercode](1991年4月録音)
【1991年】ピエール・バルトロメー指揮リエージュ・フィル[Ricercar](1991年10月録音)
【1993年】Peter Hirsch指揮Jeune Philharmonie[PAVANE Records](1993年9月6日録音)
【1995年】クリストフ・エッシェンバッハ指揮ヒューストン交響楽団[RCA](1995年3月録音)
【1995年】クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮ウィーン・フィル[DECCA](1995年3~4月録音)★
【1996年】エド・デ・ワールト指揮シドニー交響楽団[ABC](1996年2月録音)
【1998年】準・メルクル指揮NHK交響楽団[Altus](1998年4月29日録音)★
【1998年】ロバート・クラフト指揮フィルハーモニア管弦楽団[Koch Schwann原盤/NAXOS](1998年10月録音)
【2000年】ルー・ジア指揮ノールショピング交響楽団[BIS](2000年4月録音)
【2000年】余隆(Long Yu)指揮中国フィル(China Philharmonic Orchestra)[中国DG](2000年11月録音)
【2004年】サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル[En Larmes](2004年4月27日録音)■★
【2004年】サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル[EUROARTS](2004年5月1日録画)DVD★
【2006年】ダニエル・ライスキン指揮ライン州立歌劇場管弦楽団[cpo](2006年11月録音)
【2007年】準・メルクル指揮MDR交響楽団[Querstand](2007年4月23~27日録音)★
【2009年】ジョルジュ・プレートル指揮ローマ聖チェチーリア音楽祭管弦楽団[東武](2009年3月17日録音)
【2009年】サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル[EMI](2009年10月30日~11月7日録音)
【2010年発売】Pedro Halffter指揮Orquesta Filarmonica de Gran Canaria[Warner Classics]
【2013年】マイケル・ティルソン・トーマス指揮ウィーン・フィル[DIRIGENT](2013年4月7日録音)■
【2014年】マルク・アルブレヒト指揮オランダ・フィル[PENTATONE](2014年6月録音)
 
【調査中】ジョルジュ・シフラ jr.指揮ブダペスト交響楽団[Pathe]
【調査中】チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィル■
 
※1 録音年月日の情報提供:torikeraさん
※2 録音年月日の情報提供:SL-Maniaさん
 
■=非正規盤
★=Loree所有盤(7枚)
 
前回更新日:2015年1月16日
最終更新日:2015年9月23日

星の掟(ジークフリート・ワーグナー)

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<曲名>
歌劇「星の掟」~前奏曲への序奏(ジークフリート・ワーグナー)
 
誰の息子か、知らなくても名前で察しがつくジークフリート・ワーグナー(1869~1930)は、父ワーグナー(1813~1883)と同じく音楽家となりました。母はこれまた有名なハンス・フォン・ビューローの妻コジマ(つまり不倫)。そしてコジマの両親はフランツ・リストとマリー・ダグー伯爵夫人(つまり不倫)。いやはや。ちなみに、コジマはジークフリートが生まれた翌年(1870年)にビューローと離婚してワーグナーと再婚。この年、ワーグナーがコジマのために書いたのが「ジークフリート牧歌」。微笑ましきワーグナー家。1930年4月1日、母コジマ逝去。同年8月4日、ジークフリート逝去。
 
というわけで、ワーグナーの息子にしてリストの孫という凄すぎる血統のジークフリートですが、奔放な肉食系の両親・祖父母の直系とは思えぬ(?)温厚円満な人物だったとか。写真の印象もいかにも気が弱そうで、激しく自己主張するタイプにはとても見えない。
 
そんなジークフリートが得意だったのは童話オペラです。「星の掟」のほか、「すべては小さな帽子のせい」「みんなが持ってるおまじない(※)」など、タイトルからして童話風。ただ、父ワーグナーの題材とは違いすぎてワグネリアンからは敬遠され、アンチ・ワグネリアンからも血統ゆえに認められず、大して成功しなかったらしい。
 
でも、「星の掟」のいかにも優しいメルヘンな雰囲気はなかなか素敵(あらすじはこちら。→ http://www.siegfried-wagner.org/html/sternengebot.html)。フンパーディンク(父ワーグナーの弟子であり、ジークフリートの師匠)の「ヘンゼルとグレーテル」に匹敵する、とは言いませんが、薄味には薄味の良さがある。ドイツの末期ロマン派の管弦楽曲としてプフィッツナー並みには認められてよいのでは?
 
<演奏>
ウェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮ラインラント=プファルツ州立フィル【1995年録音、cpo】
 
判定はいかに。
 
※“Das Fluchlein,das jeder mitbekam”は、かつてcpoレーベルの総代理店だったアイヴィー(株)のカタログでは「みんなが持ってるおまじない」、Wikiでは「それぞれの人がこうむったちょっとした呪い」と訳されています。どちらが適切なのか分かりませんが、Loreeの好みで前者にしました。

夜想曲(フランツ・シュトラウス)

<曲名>
ホルンとピアノのための夜想曲変ニ長調(フランツ・シュトラウス)
 
「シュトラウス」の名のつく音楽家はいったい何人いるのでしょう?昔読んだ本には4ファミリー紹介されていた記憶があるのですが、あと1つを思い出せません。
 
(A)ウィーンのシュトラウス
■ヨハン・シュトラウス1世(1804~1849)
■ヨハン・シュトラウス2世(1825~1899)←ヨハン1世の息子
■ヨゼフ・シュトラウス(1827~1870)←ヨハン1世の息子
■エドゥアルト・シュトラウス(1835~1916)←ヨハン1世の息子
■ヨハン・シュトラウス3世(1866~1939)←エドゥアルトの息子
■エドゥアルト・シュトラウス2世(1910~1969)←エドゥアルトの孫(ヨハン3世の甥)
 
(B)ドイツのシュトラウス
■フランツ・シュトラウス(1822~1905)
■リヒャルト・シュトラウス(1864~1949)←フランツの息子
 
(C)その他
■オスカー・シュトラウス(1870~1954)
 
(A)はウィンナ・ワルツの代名詞。有名なのは上から4名です。残りの2名のうち、ヨハン3世は「猫とねずみ」というオペレッタがヨハン2世(伯父)も羨むほどの大ヒットだったそうです。が、ぼくは聴いたことないです(汗)SP時代のコロムビアにレコードがある「ヨハン・シュトラウス3世交響楽団」は、この人が主宰しているのかも。エドゥアルト2世はウィーン交響楽団やウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団などの指揮者として活動し、来日して東京交響楽団を指揮したこともあります(ライヴ録音がCD化されました→ http://www.amazon.co.jp/dp/B00GNJA6EC )。
 
(C)は一般的に有名とは言い難いですが、オペレッタではよく知られた作曲家。(A)との血縁はなく、名前の綴りも違います(ワルツファミリーはStrauss、オスカーはStraus)。彼の代表作「ワルツの夢」は今でもオペレッタ歌手のアリア集によく登場します。最近では、幸田浩子さんの新譜のアルバムタイトルが≪ワルツの夢≫です。
 
今日の本題は(B)です。(A)とも(C)とも血縁はありません。かの有名なリヒャルトの父フランツはホルン奏者で、ミュンヘン宮廷管弦楽団の首席奏者を49年間も勤めた名手だったそうです。同時代人ワーグナーのオペラの初演にも数多く参加したものの、実はアンチワーグナー派だったらしい。音楽の好みは非常に保守的で、息子リヒャルトには10代のはじめまで古典派以外の音楽は聴かせなかった(!)というから筋金入りです。父フランツが息子の「サロメ」(フランツが逝去した年に初演)を聴いたら、何と言っただろう。
 
父フランツは今となっては知る人ぞ知る存在ですが、実はホルン吹きには有名です。どの楽器にも、その楽器をやっている人しか知らない作曲家がいるもので、ホルン業界におけるフランツがまさにそれです。学生時代によくピアノ伴奏していたホルン吹きのK君があるときこの曲を持ってきて、部員による室内楽発表会で披露したことは(彼はともかく、ぼくにとっては)若気の至り。
 
この陶酔的なピアノパートはホルン抜きでも美しく、しかも途中2箇所(1分23秒~、2分40秒~)ではピアノが主役となります。自称ロマンチストのぼくが彼の伴奏をしていることも忘れて思い入れたっぷりに弾いたことは言うまでもない。Loree伴奏をご希望の方は所定の書式でお申し込みください(ウソ)。

ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス1世)

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シュトラウスを、もう1曲。
 
<曲名>
ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス1世)
 
ゆうちゃんは卒業式まであと2ヶ月。小学校の卒業式がどんなものか、知ってると言えば知ってるけど、実際知ってるのは自分自身のはるか昔のこと。だいたい、来賓の眠くなる祝辞を聞いて、「仰げば尊し」とか歌って、厳かに進行するイメージ。
 
だから、ゆうちゃんの卒業式で「ラデツキー行進曲」を学年全員(4クラス)で合奏すると聞いてビックリした。でも、しんみりするよりぼくは好きだな。リコーダー、ピアニカ、アコーディオン、木琴、鉄琴、その他様々な打楽器という編成で、各パートは立候補制。希望者多数の場合はオーディションをするらしい。
 
父 : 君は何の楽器をやるの。
娘 : 木琴やりたい。友だちと一緒に「絶対合格しようね!」って言ってるんだ。
父 : 木琴は何人なの。
娘 : 4人だよ。希望者が10人以上いて、28日の週からオーディションだって。
父 : 「ラデツキー行進曲」は誰が作曲したのかな。
娘 : えっ。「J・B・シュトラウス」って書いてあったような気がする。。。
父 : では、この曲を知ってるかな?(「美しく青きドナウ」のメロディーを1分くらい歌って聴かせる)
娘 : もういいよ。聴いたことある。
父 : この曲はヨハン・シュトラウス2世。「ラデツキー行進曲」はヨハン・シュトラウス1世だよ。
娘 : えっ、じゃあ親子なの。
父 : その通り。今から「ラデツキー」を2つ聴いてみるよ。
 
○オリジナルバージョン
<演奏>
ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・フィル【2001年1月1日録音、TELDEC】
 
21世紀最初のニューイヤー。ご承知の通り、このオーケストラのニューイヤーは最後に「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」を演奏します。半世紀以上に及ぶこのコンサートの歴史の中で、プログラムの冒頭(!)に「ラデツキー」を演奏したのは2001年のアーノンクールだけです、間違いない。この年は1曲目に「ラデツキー」の珍しい異稿(上の動画)、最後は伝統に従って通常バージョンが演奏されました。さすがアーノンクール、ひと捻りが効いている。
 
(ゆうちゃんには説明せず、通常版→オリジナルバージョンの順に聴かせる)
 
父 : 2つの「ラデツキー」はメロディーが違うことに気づいたかな。
娘 : えっ。気づかなかった。
父 : …。よく演奏されるのは1つ目のほうで、2つ目のラデツキーは特に中間部が違う。(歌って聴かせる)
娘 : ふーん。
父 : 実は、なんと!このメロディーはもともとヨハン・シュトラウス1世が作曲したんじゃないんだ(※原曲はこちら。→ http://www.youtube.com/watch?v=ckR0eNBpYNk)。この作曲者不詳のほうが3年早く作曲されている。
娘 : なんでそんなことが分かるの。
父 : …誰かが調べたの!たぶん当時この曲が流行っていて、1世が自分の曲に使ったんだ。間違いない。
娘 : ふーん。じゃあパクリってこと?
父 : そうとも言う。
娘 : でも、いい曲だと思うよ。こっちのほうが街で演奏されていそうな感じ。本当に流行っていたのかもね。
父 : これでオーディションは完璧だ。
娘 : そんなこと聞かれないよ…

ウィーンの森の物語(ヨハン・シュトラウス2世/グバイドゥーリナ編曲)

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あけましておめでとうございます。クラシックブログは新年の書き初めにウィンナ・ワルツを取り上げることが暗黙の掟になっています(ウソ)。
 
<曲名>
ワルツの楽しみ(グバイドゥーリナ)
 
<演奏>
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)ほか
 
グバイドゥーリナ(1931年生まれ)はロシアの女性作曲家。ぼくはここで「グバイドゥーリナ」と書いていますが、ついさっきまで「グバイ%&@#」と覚えていた(←つまり覚えてない)ので、今調べて判明しました。ある調査(※)によると、現在、広島のピアノ界で最も人気のある現代音楽作曲家であるという。(Loreeリサーチ社)
 
そんなグバイドゥーリナの「ワルツの楽しみ」がおもしろい。先ず冒頭、弦のピツィカートがいつもとちょっぴり違う雰囲気でワルツのリズムを刻みます。すると、すぐにベースが調子っぱずれに下がっていって、でもなんとか持ち直してワルツの主題を迎えるのですが、この主題はワルツ王シュトラウス2世の「ウィーンの森の物語」です。優雅な宮廷よりも街角の路上演奏を連想させる、危なっかしいけど憎めないアンサンブルにソプラノ歌手まで登場。そしてクレヨンでスコアをぐちゃぐちゃに塗りつぶすように崩壊し、無理やり終わろうとするあと一歩のところでソプラノ歌手が失神して幕切れとなる爆笑ステージ!(最後にソプラノ歌手が倒れて「バタっ」と聞こえる)
 
なお、この解説はLoreeが何の資料も参照せず、音だけを聴いて想像して書いていますので、まったく見当外れな内容かもしれませんが、テキトーなのはいつものことじゃけ~。とにかく楽しいウィンナ・ワルツのパロディーなのです
 
本年もどうぞよろしくお願いします。

プロフィール

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