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弦楽四重奏曲第10番「ハープ」(ベートーヴェン)

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ついにこの日が来ました。パソコンを買いました。「パソコンがあるなんて、なんかウチじゃないみたいだね。」…ゆうちゃん、明日学校でみんなに自慢しなさい
 
<曲名>
弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」(ベートーヴェン)
 
<演奏>
カペー四重奏団【1928年録音、日本コロムビア(SP)】
第1楽章~第2楽章の途中まで https://www.youtube.com/watch?v=lBr4BHAwYIg (10分59秒)
第2楽章の途中から最後まで https://www.youtube.com/watch?v=RTPLJIv143M (8分28秒)
第3楽章~第4楽章 https://www.youtube.com/watch?v=BiifYsYELbo (11分31秒)
 
記念すべき自宅パソコンからの記事第1号はSPレコード。この4枚8面のアルバムを父の実家で見つけたのはずいぶん前のことで、そのとき、ぼくの大叔父(祖父の弟)に当たるというN氏の遺品だと知りました。N氏は戦時中に早逝したそうで、ぼくの父(昭和17年生まれ)が赤ちゃんのときに一緒に写っている写真が唯一、面影を伝えます。
 
数年前に96歳で亡くなった祖父は昔のことをあんまり話さない人だったので、N氏のことは名前くらいしか分かりません。不思議なのは、祖父もその周辺も音楽には縁がない人ばかりなのに、なんで弟だけ突然変異のようにカペーのベートーヴェンを聴いていたのか。
 
父の音楽好きも不思議で、学生時代以来、半世紀以上もチェロを弾いていますが、N氏が亡くなったときはまだ幼かったので、直接の影響はあり得ない。ただ、このレコードは子どもの頃に聴いていたそうです。実情としては、特に深い理由はなく「他にレコードがなかった」ということです
父にはオーパス蔵の復刻CDをプレゼントしました。
 
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また年月は過ぎ、わが家にもようやくレコードプレーヤーが入り、ついにこの日が来ました。あのレコードを引き取り、再生してみました。ちゃんと音が出ます。以前、G介さんから「CDの寿命は登場した頃は半永久と言われたが、実はそうではなかった。レコードは100年前のものでも音が出る。メディアとして大成功だったということ。」と伺って衝撃を受けたことを思い出しました。
 
何を隠そうベートーヴェンの弦楽四重奏曲をまったく知らないぼくにはこの曲の良さも演奏の良さも分からないけど、針を落とした瞬間、何かがつながった気がした。
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道化師(レオンカヴァッロ)

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日頃から「オペラは苦手」と公言していますが、「カルメン」「蝶々夫人」そして「道化師」は例外。先日、某ブロ友Hoさんから「なんで道化師が好きなの?」と聞かれて、自分でも忘れていたのですが、最初のきっかけは中学生の頃に聴いたカラヤンのオペラ間奏曲集。ここに含まれていた「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「道化師」の圧倒的な美しさがオペラ本編への前奏曲となったのでした。
 
<曲名>
歌劇「道化師」(レオンカヴァッロ)
 
<演奏>
テレサ・ストラータス(ネッダ)、プラシド・ドミンゴ(カニオ)ほか
ジョルジュ・プレートル指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団【1982年収録、PHILIPS】
https://www.youtube.com/watch?v=dSURBaT3XF4 (1時間11分08秒)
 
<あらすじ>
ときは19世紀後半、舞台はイタリア。劇団の座長カニオは若妻ネッダの浮気現場を目撃して怒り狂うが、夜は喜劇を演じ、観客を笑わせなければならない(※)
その夜、カニオは道化師に扮してネッダとともに舞台に立ち、妻に浮気される役を演じているうちに芝居と現実の見境をなくし、観客の目前でネッダを刺し殺す。
まるで「カルメン」のような結末。「カルメン」の修羅場では二つの対極的な世界がパラレルで描かれ、「道化師」では虚構と現実が交錯する。現実にはありそうもない、いかにもオペラなストーリーと思いきや、「道化師」はレオンカヴァッロ自身(作曲者)が8歳のときに目撃した殺人事件がベースとなっていて、しかも刺し殺された青年は彼の教師、その事件の裁判を担当したのは彼(作曲者)のお父さんだったという!まさにヴェリズモ。
 
この映像はゼッフィレッリ監督の映画版。出演者はたぶん口パクです
有名な「衣装をつけろ」はあらすじ(※)の場面でカニオが歌うアリア(43分02秒~)。でも、最大の聴きどころは芝居と現実の見境をなくしたカニオが妻ネッダに迫り、修羅場となる後半の劇中劇!(1時間04分17秒~)
 
おれはパリアッチョ(道化師の役名)じゃない!
おれの顔が蒼白だとすれば それは恥辱と復讐の渇望ゆえだ
人間としての権利を取り戻し 血を噴いた心臓が 血を求める
汚辱を洗い流すために!ああ 呪われた女め!
 
もはや芝居ではない、なんとしても浮気相手の男の名前を吐かせようとするカニオに動揺しつつ、演技をつづけてシラをきる妻ネッダ(1時間08分14秒~)。その態度にカニオの怒りは最大限に達する。
 
おれに逆らう気だな!まだ貴様にはわからんのか
おれが譲る気のないことを!
名前か!それとも貴様の命か!
 
ネッダも開き直ってキレる!「言うもんか!命にかけても!」…。そしてついにカニオはネッダを刺し、彼女は息絶える間際に彼の名を言う…「シルヴィオ…」。そしてカニオはシルヴィオも刺す。
 
というわけで、喜劇を演じる道化師が主役ですが、このオペラは喜劇ではない。役者ドミンゴの真骨頂、これがオペラであることも忘れる迫真の演技!
 
さて、ドミンゴと高橋大輔(→ https://www.youtube.com/watch?v=smOYtNjzBtg )、この勝負はいかに。

蝶々夫人(プッチーニ)

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ゆうちゃんは中学生になりました。今週は初めての中間テストです。入学してまだ1ヶ月ちょっとですから、テスト範囲はごく狭く、どの科目も初歩的な内容ですが、地理の先生が「学ぶ意味」という作文の出題を予告していて、250字程度で自分の考えを書くらしい。
 
ぼくはこのような課題を歓迎します。とりあえず上野の国立科学博物館に連れて行き、現在の社会は過去から受け継がれてきた文化や科学の積み重ねであること、また、大人になっても勉強することはたくさんあり、学校の勉強がすべてではないこと、それとパキスタンで銃撃された15歳の少女マララさんについて触れ、勉強は義務ではなく権利であると話した。
 
で、ゆうちゃんが2日がかりで推敲に推敲を重ねてまとめたのがこちら。
先日、上野国立科学博物館で「グレートジャーニー」という展示会に行った。そして、人類は昔から現在まで、生き延びるためにいろいろな問題を自らの力で解決していることを知った。私達は、そういう昔の人や現在の人の発見や考えたことを社会で生きていくために学ぶのだと思う。また、学んだことは暮らしていくのにも役立つと思う。さまざまな時を経て今の私がいる、ということをかみしめてこれから先も、生き延びるためにたくさん学びたい。また、学ぶ環境を作ってくれる大人達には感謝したい。(byゆうちゃん)
<曲名>
歌劇「蝶々夫人」(プッチーニ)
 
<演奏>
八千草 薫(蝶々さん:歌はオリエッタ・モスクッチによる吹き替え)、宝塚歌劇団ほか
オリヴィエロ・デ・ファブリーティス指揮ローマ・オペラ座管弦楽団
【1955年公開・日伊合作映画】
 
<あらすじ>
ときは明治時代、舞台は長崎。15歳の芸者・蝶々さんはアメリカ海軍士官のピンカートンと結婚する。純情可憐で無邪気な蝶々さんは自分が単なる現地妻ということを知らない。やがてピンカートンは帰国するが、蝶々さんは夫を信じ、幼い息子とともに健気に、そして気丈に待ちつづける。3年経って、ようやくピンカートンが長崎に戻ると聞いた蝶々さんは狂喜するが、先に一人で現れたアメリカ人の本妻を見てすべてを悟る。幼い息子を引き渡す決心をした蝶々さんは恥より名誉を重んじ、自死する。
この映画では、オペラ本編の前に「プロローグ」として1900年頃の長崎の芸者について解説ドラマが置かれていて、蝶々さんとピンカートンがどうやって出会ったか(オペラでは描かれていない)、日本人でなくてもすんなりと本編に入れるように工夫されています。日本人だって、芸者遊びしたことある人なんてめったにいないはずです。ぼくも経験ありません(間違いない)。
 
オペラ本編では、歌はイタリア人歌手による吹き替えとなり、蝶々さんもピンカートンも口パクです(実際にイタリア語の歌詞を発音しながらの口パクだそうで、あんまり違和感ない)。でも、歌はこのさいどうでもいい。これほど理想的な蝶々さんがほかにいるだろうか!映画にもドラマにも疎いぼくは八千草薫さんをこのオペラ映画で初めて知りました。なんという可愛らしさ、立ち振る舞いの美しさ。も~!悶絶します。結婚式がおわって着替えのシーン(40分39秒~)ではドキドキさせられ、ピンカートンにお姫様抱っこされて初夜の寝室に運ばれるシーン(50分55秒~)は目の前のちゃぶ台をひっくり返したくなります。
 
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それにしても、15歳ということは…いまふうに言うと中学3年生。ゆうちゃん、勉強できる幸せをかみしめてください。

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