ハープ協奏曲(ヘンデル)

<曲名>
ハープ協奏曲変ロ長調 作品4-6(ヘンデル)
 
 ヘンデルの「作品4」に含まれる6つのオルガン協奏曲のうち、第6番(作品4-6)にはハープの異稿があり、現在でもこの曲はオルガンと同じくらい(またはそれ以上に)ハープ協奏曲として演奏されます。古今東西のハープ協奏曲の中で最も有名な曲と言っても過言ではありません、間違いない。第1楽章は「ららら♪クラシック」のエンディング、第2楽章はぼくの中学校の卒業式で校長先生から卒業証書を授与される場面で使われていました。
 
 「協奏曲」と言っても独奏楽器とオーケストラがガッツリ絡むところは少なく、独奏楽器の完全なソロばかりで、たまにオーケストラが入ってきても独奏楽器をなぞる程度です。そんなわけで、リハーサルの必要がほとんどなさそうなこの協奏曲集は、ヘンデルのオラトリオの上演の幕間に演奏されたそうで、ヘンデル自身がオルガンを披露するファンサービス的な出し物だったのでしょう。
 
<演奏>
(1)リリー・ラスキーヌ(ハープ)、ルイ・オーリアコンブ指揮トゥールーズ室内管弦楽団
(2)リリー・ラスキーヌ(ハープ)、ジャン=フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団
(3)ウルズラ・ホリガー(ハープ)、イ・ムジチ合奏団
(4)ウルズラ・ホリガー(ハープ)、トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサート
(5)Hans J. Zingel(ハープ)、アウグスト・ヴェンツィンガー指揮バーゼル・スコラ・カントールム
(6)ミカラ・ペトリ(アルト・リコーダー)、ケネス・シリート指揮アカデミー室内管弦楽団
 
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リリー・ラスキーヌ(ハープ)
ルイ・オーリアコンブ指揮トゥールーズ室内管弦楽団
【1960年発売?、Les Discophiles Français】
 
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リリー・ラスキーヌ(ハープ)
ジャン=フランソワ・パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団
【1964年1月22日録音、ERATO】
 
 (1)と(2)は20世紀の最も有名なハープ奏者の一人、リリー・ラスキーヌ(1893~1988)。往年の名ヴァイオリニスト、ローラン・シャルミー(1908~1959)の奥様でもあります。(1)は先日、i先生に聴かせていただいたディスコフィル・フランセのオリジナルLP(画像はネットから適当に拾ってきたもの)で、ぼくはこの演奏をCDでも聴いたことがなく、存在も知りませんでした。録音年は不明。発売年に関しては「1960年」という情報があります。信憑性は不明ながら、当たらずとも遠からずではないかと思います。ステレオ録音です。
 
 (2)は皆川達夫先生も推薦している往年の名盤。ぼくにとってもバロック少年だった頃からの刷り込みの1枚です。当盤の録音年の情報もネット上で錯綜していますが、エラート国内盤CD(WPCC5055)にはこのレーベルのこの時代の録音としては珍しいことに、年月日(上記の通り)と録音場所まで明記されています。
 
 初めて聴いた(1)は暖かく慎ましく、まさにぼく好みの落ち着いた大人の女性の雰囲気。一方、(2)はまるで別人です。スケール大きく、荘厳な第2楽章では曲が進むにつれて鬼気迫るほどハープの弦をバチンバチンと強奏し、怨念に近いものすら感じます。第2楽章の最後に挿入しているカデンツァがこれまた圧巻!何を隠そう、Loree少年は特にこのカデンツァ(ヘンデルが書いたわけではない)が好きだったのですが、久々に聴き直してみて、あまりにケバケバしいテクニシャンぶりにちょっと引いてしまったことを告白します
 
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リリー・ラスキーヌ(ハープ)
マニュエル・ロザンタール指揮パリ音楽院管弦楽団【1930年代?、POLYDOR(SP)】
(Loree未聴)
 
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(CDのジャケット画像ではありません)
 
ウルズラ・ホリガー(ハープ)
イ・ムジチ合奏団
【1970年録音、PHILIPS】
(第1楽章 0分00秒~、第2楽章 6分01秒~、第3楽章 10分42秒~)
 
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ウルズラ・ホリガー(ハープ)
トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサート
【1983年録音、ARCHIV】
(第2楽章 0分00秒~、第3楽章 4分13秒~)
 
 (3)と(4)はウルズラ・ホリガー。かの有名なオーボエ奏者ハインツ・ホリガーの奥様で、彼女自身も有名なハープ奏者です。まったく個人的なことですが、ぼくが初めて聴いた演奏はラスキーヌの(2)ではなく、ウルズラの(4)だったかもしれません。中学1年の冬、父が海外出張先からのお土産で買ってきた幾つかのカセット製品に(4)が含まれていました。あれから20数年、ゆうちゃんが同じ学年になって、感慨深いものがあります。なお、(4)はジャケット記載の通り、サイモン・プレストン(オルガン奏者)を迎えての全曲録音ですが、第6番だけはオルガンではなく、ハープ協奏曲として演奏しています。
 
 燦々と輝く太陽の光を浴びて満開の花畑に遊ぶような眩しさの(3)に対して、(4)はピリオド楽団との共演で、ウルズラも1780年製のハープを使用しています。「ハープの音色はこういうもの」という漠然としたイメージはあっても、ふだんあまり意識しませんが、(3)と(4)の第2楽章を聴き比べてみると、その違いは明らかです。(4)にも華やかさはあるけど、現代のピッチよりもやや低く、ちょっとくすんだ音色で、疲れたサラリーマン(ぼく)が癒されるのはこういう演奏です(←4連休の4日目)。
 
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Hans J. Zingel(ハープ)
アウグスト・ヴェンツィンガー指揮バーゼル・スコラ・カントールム
【1966年録音、ARCHIV】
 
 (5)も、(4)と同じようにエドゥアルト・ミュラー(オルガン奏者)を迎えてのオルガン協奏曲の全曲録音ですが、第6番はオルガンではなく、ハープ協奏曲として演奏しています。20世紀における古楽の演奏スタイルは年代とともに変遷に変遷を重ねて、今となってはこの人たちの演奏を「ピリオドスタイル」とは言いませんが、当時(1960年代)なりのやり方での復古的なスタイルだったと思います。
 
 ぼくはヴェンツィンガーの演奏が大好きです。ピリオド論なんかどうでもいい。大らかで、懐が深く、全身の神経を休めてくれるような包容力。つらいときに聴いたら、涙が出てきてしまいそう。この演奏で使用されている1818年製のハープは、(4)のウルズラのハープよりも素朴な音色で、これがまたいい。ちょっとたどたどしいけど、ぼくはこの曲にヴィルトゥオーゾ風のキレを求めていない。ゆったりとしたテンポも心地よく、このまま眠ってしまいそうです。
 
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(CDのジャケット画像ではありません)
 
ミカラ・ペトリ(アルト・リコーダー)
ケネス・シリート指揮アカデミー室内管弦楽団
【1982年録音、PHILIPS】
 
 最後に、番外編としてリコーダー編曲版。「リコーダーの妖精」ことミカラ・ペトリは、まだ20代だと思っていたら、今や、美熟女でした。ま、ぼくが中学生のときに20代の後半から30代の入口だったから、当然なんですけど。ぼくはリコーダー少年だったので、この人の演奏も聴きまくりました。
 
 このヘンデルを聴いたのは大人になってからです。果たして、この曲をリコーダーで吹く意味は何なのか。オーケストラが休止して独奏楽器が完全にソロになる部分では、単旋律しか吹けないリコーダーは右手のパートを吹いて、左手のパートをファゴット(第2楽章はチェロ)が一心同体になって付き合ってくれています。そして、ヴェンツィンガーと比べて5割増くらいのスピード感。風のように通り抜けていきます。この演奏を職場のBGMで流したら、みんな仕事が速くなりそうです。経営者の方におすすめ
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ディスコフィル・フランセのオリジナル盤を聴く。

昨日はi先生のご自宅におじゃまして、お昼をご馳走いただき、食後もビールとおつまみの数々。さらにぼくのリクエスト通りに取っ替えひっかえレコードをかけてくださって、至福の6時間。ほとんど座ったままだったぼくは、いったい何様でしょうか(汗)
 
(今回聴かせていただいたレコード)
1)ハープ協奏曲(ヘンデル) ラスキーヌ(ハープ)、オーリアコンブ指揮トゥールーズ室内管
2)グラスハーモニカ五重奏曲K617(モーツァルト) リリ・クラウス(チェレスタ)ランパル(フルート)ピエルロ(オーボエ)、Pierre Pasquier(ヴィオラ)、Etienne Pasquier(チェロ)
3)クラリネット協奏曲K622(モーツァルト) エティエンヌ(クラリネット)、エウィット指揮エウィット管【再録音】(同演異盤4種類の聴き比べ)
4)クラリネット協奏曲K622(モーツァルト) エティエンヌ(クラリネット)、エウィット指揮エウィット管【旧録音】
5)クラリネット五重奏曲K581(モーツァルト) エティエンヌ(クラリネット)、ヴェーグ四重奏団
6-1)ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K364(モーツァルト) ボベスコ(ヴァイオリン)、カッポーネ(ヴィオラ)、リステンパルト指揮ザール室内管
6-2)管楽器のための協奏交響曲K297b(モーツァルト) ピエルロ(オーボエ)ランスロ(クラリネット)オンニュ(バソン)クルシェ(ホルン)、リステンパルト指揮ザール室内管
7-1)オーボエ協奏曲K314(モーツァルト) ピエルロ(オーボエ)、リステンパルト指揮ザール室内管
7-2)ファゴット協奏曲K191の第1楽章(モーツァルト) オンニュ(バソン)、リステンパルト指揮ザール室内管
8)フルート協奏曲第2番K314(モーツァルト) ランパル(フルート)、リステンパルト指揮ザール室内管
9)チェンバロ協奏曲第1番BWV1052、第2番BWV1053(バッハ) ノイマイヤー(チェンバロ)、リステンパルト指揮ザール室内管
10)カヴァティーナ(ラフ)、ハンガリー舞曲?(リスト) ヤン・クーベリック(ヴァイオリン)、ピアノ伴奏
11)ルイ13世の歌とパヴァーヌ(クライスラー) クライスラー(ヴァイオリン)、ピアノ伴奏
12)ボッケリーニのアレグレット(クライスラー) クライスラー(ヴァイオリン)、ピアノ伴奏
 
(1)~(9)はLPレコード((4)のみSPレコードのLP復刻)、(10)~(12)はSPレコード。(1)~(3)及び(5)~(9)はLes Discophiles Français(というレーベル)のオリジナル盤。
 
(1)(2)(4)(8)(9)、(10)~(12)は復刻CDでも聴いたことがない演奏で、初めて聴きました。特に印象に残ったのはリリー・ラスキーヌのヘンデルのハープ協奏曲(昨日聴いた唯一のステレオ盤)、リリ・クラウスがチェレスタを弾くK617(グラスハーモニカ五重奏曲)、エティエンヌのK622(クラリネット協奏曲)の旧録音、ランパルのK314(フルート協奏曲第2番)の4枚。
 
リリ・クラウスのK617はモーツァルト生誕200年の記念録音(1956年)。まるでオルゴールのような愛らしい音色は、男2人で聴くのにこれほど相応しくない音楽はちょっと思いつかない(←誉めてます)。特に、ハ短調のアダージョからハ長調のロンドに転じるつなぎのカデンツァ風のソロにはため息が出ました。ぼくは、誰かから「チェレスタを聴きたい」とリクエストされたら、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」の「こんぺいとうの踊り」よりも、K617を薦めたい。(参考:違う奏者のチェレスタと、ランパル、ピエルロたちの演奏→ http://www.youtube.com/watch?v=fO-tVLCfzjc
 
フランスのクラリネット奏者、エティエンヌはK622を2回録音しています(旧録音=1941年、再録音=1953年)。再録音の同演異盤(4種類のLP+Loree持参のグリーンドア復刻CD)に旧録音(SPレコードのLP復刻)も加えた聴き比べは昨日のメインプログラムでした。初めて聴いた旧録音は、同じソリスト、同じ指揮者、同じオーケストラにも関わらず、まるで別人のような演奏でビックリ!馬に鞭を打って走らせるごとくの疾走感はトスカニーニが指揮しているんじゃないかと錯覚するほどです。だいたい、K622はモーツァルト最晩年の「白鳥の歌」という後付けのイメージで語られすぎではないのか。35歳の働き盛りの男が書いた曲が元気いっぱいでどこがおかしいだろう。「K622の最高の名盤!」と鼻息荒く主張するつもりはありませんが、新鮮でした。録音も良好。新旧の演奏はあまりに違いすぎるので、「どちらが良いか」ではなく、まったく別物として受け止められるべきだと思いました。
 
(i先生の関連記事)
○「エティエンヌのクラリネット協奏曲の謎」 http://ibotarow.exblog.jp/19490398/
○「エティエンヌのクラリネット協奏曲の謎 後日譚」 http://ibotarow.exblog.jp/19575459/
○「エティエンヌのクラリネット協奏曲の謎 後日譚2」 http://ibotarow.exblog.jp/19694494/
 
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クラリネット五重奏曲K581&クラリネット協奏曲K622(モーツァルト)
フランソワ・エティエンヌ(クラリネット)
ヴェーグ四重奏団(K581)
モーリス・エウィット指揮エウィット管弦楽団(K622)
【1952年録音(K581)、1953年録音(K622)、グリーンドア】
(Les Discophiles Françaisではなく、米ハイドン協会盤からの復刻)
 
余談めいてしまいますが、エティエンヌのK581(クラリネット五重奏曲)はグリーンドアの復刻CDにも収録されているので、初めて聴いた演奏ではありませんが、共演するシャンドール・ヴェーグのカルテットの繊細な肌触りは自分の呼吸を止めてでも聴き入りたくなる絶品。ヴェーグのヴァイオリンはもちろんですが、他の3人も同質の素晴らしさなのです。晩年のヴェーグが指揮するモーツァルトのセレナードやディヴェルティメントを大切に聴いている方に紹介しておきたい演奏です。但し、クラリネットの音色はランスロ系で、好みが分かれるでしょう。
一九五〇年代の中頃、デビューしたばかりのランパルは、キラキラとして輝いていた。特にディスコフィル・フランセに録音したモーツァルトのフルート協奏曲は、当時の名曲喫茶の人気レコードであった。SP時代のモイーズの演奏など、笛の音半分・風の音半分という大変な代物だったが、ランパルのは純金のフルートとかいうことで、音も明晰なら技巧も抜群で、テンポも颯爽として速く、これぞ新時代の名人芸にふさわしい演奏だった。戦後派でもオランダのバルワーザーとか、ウィーンのワナウゼックなどは、木製のフルートを吹いていた関係からか、音も地味なら技巧もおとなしいもので、とてもランパルと太刀打ちできるような器量ではなかった。(出谷啓「クラシック この演奏家を聴け!」音楽之友社、1996年より)
ランパルはモーツァルトのフルート協奏曲を何回録音しているのか、ぼくは知りませんが、「ランパルのモーツァルト」と言えば誰でも共通のイメージを抱くはずです。しかし、1954年(32歳頃)の録音と思われる当盤は予想とまったく異なり、まるで木製フルートのような暖かく柔らかい音色で、最初の一音からして思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。Les Discophiles FrançaisのオリジナルLPは落ち着いた音で、それが演奏の印象にも影響しているかもしれません。「こんなのランパルじゃない!」と思う人もいるでしょう。しかし、名前はどうでもいい。ぼくが好きなのは、こういうフルートです。(なお、出谷啓さんは真逆のことを書いていて、非常に興味深い)
 
さて、前置きはこれくらいにして、ヘンデルのハープ協奏曲か、モーツァルトの管楽器の協奏交響曲のことを書こうと思ったのですが、長くなるので、その話はいずれまた。。。

ガイーヌ(ハチャトゥリヤン)

<曲名>
ガイーヌ(ハチャトゥリヤン)
 
これまで何度も書いていることですが、あらゆる管弦楽曲の中でマイベスト3は、ブラームス(シェーンベルク編曲)のピアノ四重奏曲第1番、チャイコフスキーの「白鳥の湖」、そして「ガイーヌ」です。「剣の舞(つるぎのまい)」だけ突出して有名な「ガイーヌ」は、実はバレエ音楽ですが、上演機会はほとんどなく、バレエの世界でハチャトゥリヤンと言えば「スパルタクス」です。しかし!音楽の世界ではハチャトゥリヤンと言えば「ガイーヌ」です、間違いない。
 
<演奏>
(1)ジャンスク・カヒッゼ指揮モスクワ放送交響楽団【1977年録音、MELODIYA】(改訂版全曲)
(2)ロリス・チェクナヴォリヤン指揮ナショナル・フィル【1976年録音、RCA】(原典版全曲)
(3)ロリス・チェクナヴォリヤン指揮アルメニア・フィル【1991年&1993年発売、ASV】
(4)アレクサンドル・ヴィリュマニス指揮ラトヴィア・オペラ&バレエ・カンパニー【1980年収録、VAI】
 
<原典版のあらすじ>
アルメニアの国境に近いコルホーズ(集団農場)で綿花を栽培する若妻ガイーヌと彼女の一族や仲間たちはまじめに働いているが、ガイーヌの旦那はだらしないダメ男で、しかも犯罪に手を染めようとしている。ガイーヌは旦那の悪企みを止めようとするが、わが子を崖から突き落とすと脅された挙句に短刀で重傷を負わされ、旦那は逮捕される。そしてガイーヌは自分を助けて献身的に看護してくれた警察隊長にいつしか愛情を感じるようになり、仲間のカップルとともに3組で結婚式を挙げて、皆に祝福され、ハッピーエンド。
<改訂版のあらすじ>
アルメニアの村娘(独身)のガイーヌは、アルメン君と付き合っている。ある日、アルメン君が親友のゲオルギー君と2人で山に出かけたときに、ケガをして意識を失っている少女アイシェを見つけて助ける。ゲオルギー君はアイシェを好きになるが、ゲオルギー君は、アルメン君がアイシェといい感じになっていると誤解し、激しく嫉妬する。ゲオルギー君とアルメン君が険悪になっていくのを心配するガイーヌとアイシェ。その後、いろいろあるけど、ガイーヌとアルメン君の愛は変わらない。最後にはゲオルギー君の誤解も解けて、ハッピーエンド。
というわけで、同じ「ガイーヌ」でも、原典版(1942年初演)と改訂版(1957年初演)はまったく違うお話です。ヒロインのガイーヌをはじめ、登場人物の名前だけはけっこう踏襲していますが、例えば、ドラえもんとのび太くん・しずかちゃん・スネ夫・ジャイアンの名前はそのままで、キャラの設定がまったく変わってしまったら、それはもはや「ドラえもん」ではない。
 
音楽的にも、原典版の大部分は改訂版にも使われていますが、なにしろストーリーがまったく違うので使われる場面も当然違うし、「○○の踊り」といった一つ一つのダンスの曲名も変わり、非常にややこしい。原典版にしか登場しない曲(「ゴパック」など)、改訂版にしか登場しない曲(「収穫祭」など)もあります。演奏時間は改訂版のほうが長く、原典版全曲盤(チェクナヴォリヤン)は約100分、改訂版全曲盤(カヒッゼ)は約140分です。
 
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ジャンスク・カヒッゼ指揮モスクワ放送交響楽団
【1977年録音、MELODIYA】(改訂版全曲)
http://www.youtube.com/watch?v=_JlGS1m1PL4 (全曲)
 
先に、改訂版(ボリショイ版ともいう)の全曲盤(1)。オケの名称は「USSR(ソヴィエト連邦)なんちゃら交響楽団」と記載されている盤と、「モスクワ放送交響楽団」と記載されている盤があります。また、裏ジャケには「アラム・ハチャトゥリヤン監修」(Artistic Supervision)と記載されていますが、詳細は不明です。気にしないことにします。
 
演奏は、もう圧巻!パチンコ屋のように賑やかなオープニングはすぐに短調に転落し(1分17秒~)、大地をザクザクと踏みしめるリズムの刻みに自分(聴いているだけ)の体にも力がみなぎってくるのを感じます。ロシア(ソ連)って、極寒の大地というイメージがあるけど、音楽はなぜこんなに熱いんだろう!ぼくは、冒頭の5分間を聴いて何も感じない人に、「ガイーヌ」をこれ以上勧める自信がない。
 
オケは弦楽器も管楽器も圧倒的なパワーです。ちょっとアバウトなところもあるけど、そんな小さな問題を指摘している場合じゃない。この人たちは食べてるものが違うんじゃないかと思うほど(実際そうかもしれないが)、腹にズシズシと響く音に、「ソ連のオーケストラはなんて凄いんだ!」と、頭ではなく全身に叩き込まれる感じ。
 
約140分の全曲盤を「全部いい」と書くのは何も挙げないのと同じことなので、冒頭の5分間のほかにここだけは!という場面を幾つか、強烈なリズムのダンスの数々をあえて外して選んでみると、アイシェとゲオルギーのデュエットの「スパルタクス」ばりの濃厚ロシアン・ロマン(38分40秒~)、ゲオルギーとアルメンの険悪な関係を心配するアイシェとガイーヌ(1時間02分45秒~)[原典版や組曲では子守歌]、そしてこれまた濃厚ロシアン・ロマンのガイーヌとアルメンのデュエット(2時間04分18秒~)[この直後が、剣の舞]
 
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ロリス・チェクナヴォリヤン指揮ナショナル・フィル
【1976年10月25日&27日録音、RCA】(原典版全曲)
http://www.youtube.com/watch?v=EB0_23XGNU0 (クルドの若者たちの踊り)
http://www.youtube.com/watch?v=Ys7C761Y1rQ (山岳民族の踊り)
http://www.youtube.com/watch?v=1OVPLq6qFkA (歓迎の踊り)
http://www.youtube.com/watch?v=7ZbwjaH_2Ms (レズギンカ)
http://www.youtube.com/watch?v=i6AJYaKplzk (剣の舞)
 
次に、原典版の全曲盤(2)。率直に言うと、ぼくは改訂版のほうが好きです。改訂版は様々な主題が別の場面でも形を変えて使われるなど全曲の統一感に配慮しているのに対し、原典版は一つ一つのダンスの独立感が強く、全曲盤なのに組曲を聴いているような気がします。どちらがよいかは人それぞれの好みです。しかし客観的に言えることは、改訂版のほうがはるかに長く、原典版では聴けない音楽が詰まっているということです。
 
そんなわけで、ぼくはこれまで当盤をいいかげんに扱ってきたのですが、あらためて聴いてみるとこりゃ凄い!一つ一つのダンスのリズムが生きていて、合奏が崩壊しない安心感のもとで「ガイーヌ」の強烈なダンスの数々を効率よく楽しむことができます。勇壮なばかりでなく、「歓迎の踊り」のリズムは粋で、クラシック離れしていて、素敵です。何を隠そう、ぼくはこの曲だけ取り出して聴くことがあります。
 
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ロリス・チェクナヴォリヤン指揮アルメニア・フィル
【1991年&1993年発売、ASV】
 
(3)はチェクナヴォリヤンの新盤。2枚合わせて12曲を「ガイーヌ」以外の曲と抱き合わせて録音しています。発売年は記載されていますが、録音年は不明。今回は組曲とか抜粋は取り上げないつもりでしたが、当盤は全曲盤を録音した指揮者の別録音なので例外。余談ですが、当盤はバラで買うより9枚セットがお買い得です。
 
演奏は、「レズギンカ」が飛び抜けて凄い。旧盤(全曲盤)も「レズギンカ」になるとテンションが数段上がっていましたが、型破り感は当盤のほうが上。この爆演に彼らとともに興奮するには、聴き手にもそれなりの資質が求められます。岸和田のだんじりをテレビで見るような、「現地の熱気は凄いんだろうなぁ」的な理性は捨てなければならない(←自分に言い聞かせるLoree)。しかし、併録の「ヴァレンシアの寡婦」のために持っていたい1枚です。
 
(おまけ)さぞかし、まるでシモン・ボリバルの若者たちのようにノリノリで演奏しているんだろうなぁ…と思ったら、誰も笑ってないアルメニア・フィルの皆さん→ http://www.youtube.com/watch?v=kIQS_fWbjkA
 
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アレクサンドル・ヴィリュマニス指揮ラトヴィア・オペラ&バレエ・カンパニー
【1980年収録、VAI】
http://www.vaimusic.com/DVD-B/4428.html
http://www.youtube.com/watch?v=sR5imaQWwrQ (バレエ)
 
(4)はラトヴィアのバレエ団のボリショイ劇場におけるライヴ(ボリショイのバレエ団ではない)。「ガイーヌ」はそもそもバレエ作品ですが、舞台にかかることはめったになく、現在、市販されている映像商品はこれが唯一です、間違いない。しかし、原典版でも改訂版でもなく、折衷版なのか、独自の創作版なのか、謎です。ガイーヌの旦那が出てくるので、ベースは原典版かしらん。ダンスとオケについてはノーコメント。
 
むしろ、特典映像として併録されているハチャトゥリヤン自身が指揮するボリショイのライヴ(白黒映像)が貴重です(→ http://www.youtube.com/watch?v=DYrkNBqHt-A )。音だけでも聴き応えのある力強い演奏。ハチャトゥリヤンの自作自演盤は幾つも出ているので、いつか(今世紀中に)整理して紹介します。今日はもう限界

夜の間奏曲

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<曲名>
カヴァティーナ(ラフ)
 
<演奏>
フランク・プゥルセル指揮オーケストラ【1982年録音、EMI】
ヨアヒム・ラフ(1822~1882)は、ドイツ・ロマン派の作曲家で、メンデルスゾーンに認められ、のちリストの助手を務めた。おそるべき多作家だったが、今日ではこのヴァイオリン用の小品「カヴァティーナ」しか演奏されない。しかしこの曲はメロディーがことのほか美しく、昔から多くのヴァイオリニストたちが、アンコールによく演奏して広く親しまれるようになった。(当盤のライナーノートより)
というわけで、ラフと言ってもラフマニノフの略ではありません。上の解説では「ドイツ・ロマン派」と書かれていますが、実はスイス人らしい。しかしドイツに移って作曲のほか教育活動で要職を務めた人です。近年、11の交響曲をはじめとして、ラフの作品の録音は増えていますが、まだまだ秘曲の域を出ず、(秘曲の紹介に熱心な)児玉宏/大阪交響楽団が取り上げてもぼくは驚かない。
 
そんなラフの「カヴァティーナ」(作品85-3)は、ヴァイオリンとピアノ伴奏の小品としてレコード時代はそれなりに録音のある曲でした(演奏例→ http://www.youtube.com/watch?v=MLYIE8ylkXE)。最近のヴァイオリニストたちのレパートリーからは脱落しつつあり、今日、「カヴァティーナ」と言えば映画「ディア・ハンター」のテーマ曲(マイヤーズ作曲)のほうが有名です、間違いない。
 
今回紹介するのはプゥルセル(1913~2000)の編曲による管弦楽版。これは、ぼくが中学生のとき(1988~89年頃)にNHK-FMで放送していた「夜の間奏曲」という番組のテーマ曲に使われていたのと同じ演奏です。この番組は平日の夜9時から15分間、スコット・ロスのスカルラッティのソナタ全曲(全555曲)を毎日数曲ずつとか(完遂したのか?)、スカルラッティのソナタのエイヴィソン編曲の合奏協奏曲版を毎日数曲ずつとか、目が点になるような選曲で、バロック少年(ぼく)はスズメの涙の小遣いをはたいてカセットテープを買って粛々とエアチェックに励んでいましたが、途中で挫折し、放送がいつ終了したのか分かりません
 
テーマ曲のことは、当時はプゥルセル編曲ということも、原曲がヴァイオリン曲ということも、曲名も何も知りませんでした。プゥルセルは、クラシックよりもイージー・リスニングで有名な人で、ポール・モーリアとレイモン・ルフェーヴルは若い頃にプゥルセル楽団のメンバーだったとか、そんなことも後から知ったことです。
 
正直なところ、ぼくは番組の中身よりもテーマ曲に心惹かれていて、オープニングの数十秒間とエンディングにもまた数十秒間、あぁもっと聴いていたいと願いつつ、無情にも消えていく、あの瞬間のせつなさと恨めしさ(そしてすぐに賑やかな次の番組が始まる)。今のゆうちゃんがそんな気持ちになるとしたら、カープの試合が長引いて放送時間切れになる瞬間しかありません、間違いない

パガニーニの主題によるロマンス(映画「魔法の楽弓」より)

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<曲名>
パガニーニの主題によるロマンス(グリーン)
Romance based on a theme by Paganini (Philip Green)
Featured in the film "The Magic Bow"
 
<演奏>
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)、ジェラルド・ムーア(ピアノ)【1945年録音、RCA Victor原盤】
 
パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章の主題によるロマンス。メニューインのSP録音を復刻CDで聴いて、曲は知っていましたが、出典が分かりませんでした。この主題は名旋律だし、独立曲に仕立てたくなる気持ちも理解できなくはない。でも、他人の主題を借りてきてロマンスとはいささか安易と思わないでもないし、てゆーかグリーンさんって誰??なんて、長年、モヤモヤしていたのですが、例の≪Nicolo Paganini Discography≫(→ http://www.paganiniana.org.uk/Discography.htm )に当盤も載っていて、そこに、[Used in the film The Magic Bow, which featured Stewart Granger as Paganini] と付記されていたおかげで、ようやく謎が解けました。
 
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<タイトル>
The Magic Bow (邦題:「魔法の楽弓」または「令嬢ジャンヌ ~パガニーニ物語~」)
【製作】1946年(イギリス)
【監督】バーナード・ノウルズ
【キャスト】スチュワート・グレンジャー(パガニーニ役)、フィリス・カルヴァート(令嬢ジャンヌ役)ほか
(あらすじはこちら。→ http://eiga.com/movie/67514/
 
このロマンスはパガニーニを主人公とする映画の挿入曲としてフィリップ・グリーン(1911~1982)が作曲した「愛のテーマ」でした。グリーンは1940~60年代に活躍した映画音楽作曲家だったらしい。そして、パガニーニ役の俳優の裏でヴァイオリンを弾いているのがメニューインです。納得!この映画はかつて日本では≪令嬢ジャンヌ ~パガニーニ物語~≫というタイトルでVHS化されたそうですが、もしレンタルショップで背表紙を見かけても、まさかパガニーニの映画とは思わない。。。
 
<映画>(日本語字幕付き)
The magic bow part01 http://www.youtube.com/watch?v=Kfg1-E_JXc4
The magic bow part02 http://www.youtube.com/watch?v=Qi7WDFWy3KY
The magic bow part03 http://www.youtube.com/watch?v=ZRNQ_x5HLLk
The magic bow part04 http://www.youtube.com/watch?v=Gj0F2-led90
The magic bow part05 http://www.youtube.com/watch?v=5nKFeeX7xpc
The magic bow part06 http://www.youtube.com/watch?v=aUDhm133ukk
The magic bow part07 http://www.youtube.com/watch?v=TAcceFyJwUU
The magic bow part08 http://www.youtube.com/watch?v=YYCQFEaOllo
The magic bow part09 http://www.youtube.com/watch?v=e0cDKd557x8
The magic bow part10 http://www.youtube.com/watch?v=EnLYsbr284M
The magic bow part11 http://www.youtube.com/watch?v=k5MmTBoeKdI
The magic bow part12 http://www.youtube.com/watch?v=Awu2UICIVGs
 
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(様々なカバー・バージョン)
Max Jaffa(ヴァイオリン)、Wally Stott & His Orchestra
 
Reginald Leopold(ヴァイオリン)、Louis Levy & His Orchestra

ヴァイオリン協奏曲第1番(パガニーニ)

<曲名>
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調(パガニーニ)
 
クライスラー編曲版(前回記事)につづいて、今回は原曲をベースとした演奏を聴きます。あちこちカットした短縮版で、それ以外にも音符の改変とかありそうだから「原曲をベースとした」と控えめに書きましたが、この曲に関してそれは珍しいことではないし、細かいことは気にしません(←違いの分からない男)。なお、今回紹介するのはすべてモノラル録音です。
 
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ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
【1950年1月15日録音、SONY】
http://www.youtube.com/watch?v=gydE8V6I9lE (第1楽章の途中まで)
美しい音はいい。太陽のように輝く美しい音を、自分の音楽に込めて演奏したい。(ジノ・フランチェスカッティのインタビューより)
こんな明快に自分の演奏のコンセプトを語れる人がほかにいるでしょうか。また、パガニーニの第1番ほど、そのコンセプトにピッタリの曲があるでしょうか。フランチェスカッティのお父さんは、パガニーニの唯一の弟子だったカミロ・シヴォリに師事したヴァイオリニストだったそうで、つまりフランチェスカッティはパガニーニの“ひ孫弟子”というわけですが、そういう経歴にセールストーク以上の意味があるとは思いません。また、フランチェスカッティにそんな肩書きは必要ない。
 
キラキラと輝くヴァイオリンは、しかし、夏の青空のようなカラっとした音ではなく、みずみずしく、潤いがあって、ツヤもハリもあり、そして、よく歌う。8日後に録音されたサン=サーンスの協奏曲第3番(→ http://www.youtube.com/watch?v=5iwAzZ4U7wE)は美音に凄味が加わった演奏で、まさにこの時期がフランチェスカッティの絶頂期だったのかも。オーケストラも充実していて、これがステレオ録音だったらと思わずにはいられない。
 
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ルッジェーロ・リッチ(ヴァイオリン)
山田夏精指揮東京交響楽団
【1960年4月25日録音(Live)、EMI】
http://artist.cdjournal.com/d/-/1196040658
 
杉並公会堂におけるライヴ録音。何を隠そう、ぼくもこのライヴの22年後に杉並公会堂のステージに立ちました(単なるピアノの発表会とも言う)。それはさておき、これは東京交響楽団の創立50周年記念盤として1996年に発売された≪世紀の巨匠ジャパン・ライブ・シリーズ≫の中の1枚で、今回当盤を聴いたのは、≪Nicolo Paganini Discography≫(→ http://www.paganiniana.org.uk/Discography.htm)に載っていないものから選んでみました。
 
ルッジェーロ・リッチのパガニーニは、たっぷり歌うところもあるけど、そうでないところはキレのよい美音でクールにサクサク(バリバリと言うよりサクサク)と弾き飛ばし、オーケストラを振りまわすさまが楽しい。ぼくはヴィルトゥオーゾ・コンチェルトにオーケストラの完璧さを求めない。こうした雑然とした雰囲気もいい。4分を超える長大なカデンツァは、期待通り、カプリースよりも曲芸じみている。さすがリッチ!なお、指揮の山田夏精はのちに「一雄」と改名。
 
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ティボール・ヴァルガ(ヴァイオリン&指揮)
デトモルド・ティボール・ヴァルガ管弦楽団
【録音年不明(Live)、Tibor Varga Collection】
http://www.youtube.com/watch?v=mXQNBgmZMsQ (第1楽章の途中まで)
 
当盤も≪Nicolo Paganini Discography≫に載っていません。共演はティボール・ヴァルガ弾き振りのデトモルド・ティボール・ヴァルガ管弦楽団か、あるいは、Hellmut Thierfelder指揮ハノーヴァー管弦楽団か、パガニーニのほかにラロの「スペイン交響曲」が併録されていて、どっちの曲をどっちが共演しているのかハッキリ書かれていないので、収録曲順と共演者の記載順で判断しました。当盤はティボール・ヴァルガ協会?(Fondation Tibor Varga)公認のシリーズらしく、海賊盤ではなさそうです。このライヴの録音データは不明ですが、おそらく1950年代(Loree大予想)。
 
ティボール・ヴァルガはヴィルトゥオーゾというイメージがあまりないので、まずもってパガニーニというレパートリーが意外。そして演奏が凄い!濃密な美音でエネルギッシュにバリバリ(サクサクと言うよりバリバリ)と弾き飛ばし、品格のあるバッハとかモーツァルトで彼に惹かれるようになった人(ぼく)は、初めて聴くと、これが本当にヴァルガ??と、耳を疑わずにはいられない。しかし、心を震わすヴィブラートは(暑苦しいけど)確かにヴァルガである。いいじゃないか!血気盛んな若きヴァルガ。お行儀の良いパガニーニなんか聴きたくない。
 
それにしても、再発売のカタログ番号まで追跡したディスコグラフィは凄すぎる。なんちゃってディスコグラフィを堂々公開している人はこの達人の爪の垢を煎じて飲まなければならない。

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