2013/11/30
わが国における最近の覆面事情
前回記事「誤表示・偽装問題」の番外編。
テレビ大阪・テレビ東京系全国ネット 毎週日曜あさ9時30分より放送の「おねがいマイメロディ」より、麗しの天才ヴァイオリニスト・柊恵一がついにデビュー!
柊 恵一 Debut Album “The Devil's Trill”
○チゴイネルワイゼン(サラサーテ)
○シャコンヌ(ヴィターリ)
○スケルツォ=タランテラ(ヴィエニャフスキ)
○前奏曲とアレグロ(クライスラー)
○伝説(ヴィエニャフスキ)
○悪魔のトリル(タルティーニ)
○タイスの冥想曲(マスネ)ほか
柊 恵一(ヴァイオリン)、伴奏者不明(ピアノ)
【2005年録音、サンリオ/ウィーヴ・テレビ大阪・マイメロディ製作委員会(NECA 30153)】
http://www.amazon.co.jp/dp/B000BV7SF8
柊(ヒイラギ)コンツェルンの孫で、トイレの数だけで88もあるという豪邸に住むヴァイオリニスト、柊恵一のデビューアルバムかと思いきや、なんとこれは実は大阪フィルのコンマス(当時)、長原幸太さんが弾いているという!そんなことは、このアルバムの何処を見ても書いてありませんが、長原さんのオフィシャル・ファンサイトのディスコグラフィに載っています(→ http://www001.upp.so-net.ne.jp/kota/discography.html )。つまり、これも覆面です。
レジのお姉さんに差し出すには相当の勇気がいるジャケットを見て、まさかこれが一級のヴァイオリンアルバムとは誰が想像するだろう。amaz○nで試聴できますが、この人のヴァイオリンは弾き進むにつれて熱を帯びてくるので、サワリだけ聴いても「意外とうまいね。」くらいにしか思わないかもしれない。しかし、特にクライスラーの「前奏曲とアレグロ」の後半の鬼気迫る追い込みの凄さ!ぼくは、もし店頭でたまたまこの演奏が流れているのを聴いたら、必ず名前を尋ねる。
選曲は全国のヴァイオリン少年少女の憧れの曲ばかりで、録音も非クラシック系にありがちな加工臭は感じません。「おねがいマイメロディ」を知らない人(ぼく)にも推薦したい、ヴァイオリンの隠れ名盤なのです♪
今、刊行部数累計500万部を超える勢い、赤丸上昇中の講談社コミック「のだ○カンタービレ」。そのメインキャラクター、千秋真一とその仲間たち、R☆S(ライジングスター)オーケストラが、なんとあのブラームスの1番を録音、緊張感、熱気あふれる奇跡の名演と共にCDデビュー。また、ボーナストラックとしてコミック第10巻に登場するプラティニ国際指揮者コンクール課題B、間違い探しスコアを使用したドヴォルザークの交響曲第8番の第1楽章を収録。クラシック界唖然の前代未聞「間違い版」音源の登場です。もちろん、オリジナル・スプラフォン版の演奏も収録。「の○め」ファンもクラシックファンも存分に楽しめる1枚。
交響曲第1番ハ短調(ブラームス)ほか
千秋真一指揮R☆Sオーケストラ
【2005年発売、キングレコード(KICC-555)】
http://www.amazon.co.jp/dp/B000ALJ16S
あらかじめおことわりしますが、これはわが家のライブラリーにはありません(汗)しかしこれがなんと、2005年9月に発売され、翌月までに5万枚を売り上げたという!真の演奏者は公表されておらず、ネット上では諸説飛び交っています。既存音源の流用ではないそうで、これも「幽霊」よりは「覆面」と言うべきでしょう。こういう企画物がヒットするからこの業界は成り立っているのです、間違いない。