2013/12/31
交響曲第1番(ベートーヴェン)
<曲名>
交響曲第1番ハ長調(ベートーヴェン)
ゆうちゃんのジュニアオーケストラの今年のメインはベートーヴェンの1番でした。ベートーヴェンの交響曲は「不滅の9曲」とか言われますが、1番はのちに大作曲家となった人の最初の交響曲だから大切にされるのであって、これが名曲とは思わない。第1楽章の序奏の和声進行とか、第4楽章の冒頭の一撃とか、聴衆を驚かせようと仕組んだハッタリは刺激に慣れた現代人(ぼく)には通用しない。
そんなふうに思っていたので、今年のメインが「ベト1」に決まったとき、ぼくは内心ガッカリしたのですが、CDは少なからず持っているので、取っ替えひっかえ聴いているうちにだんだん「いい曲だなぁ」と思ってきて、今となってはかなり好きな曲です♪(←昨年まで酷評していた人)
ゆうちゃんは一昨年に広島から引っ越して来て、このオーケストラの演奏会に乗るのは2回目です。今回の演奏会のパンフレットに指揮者の西本智実さんがコメントを寄せてくれていましたが、これまでの演奏会にも小林研一郎さんや小山実稚恵さんなど日本を代表する音楽家の方々からコメントをいただいています(注:出演したり、来てくれたわけではない)。
こう書くと、いかにも立派な団体のように見えますが、指導者の先生はプロオーケストラの現役奏者ですが、正団員は30数名、弦楽器も管楽器も欠員だらけで、日常の練習に参加するのは20名くらいで、その9割がヴァイオリンということも珍しくない。ヴァイオリン以外の弦楽器(ヴィオラ、チェロ、コントラバス)を習っている子は絶対数が少ないし、管楽器は中学や高校の吹奏楽部にはたくさんいるだろうけど、地域のオケに参加する子はほとんどいない。広島でもそうでした。
だから、「オーケストラ」とは名ばかりで、ふだんは「弦楽合奏団(ほとんどヴァイオリン)+α」というのが実態なのです。演奏会の直前と本番だけエキストラに来てもらってフル編成で臨みます。でも、これはこれでいい。ヴァイオリンは小学生が多く、練習場はまるで動物園です。何ヶ月もかけてやっと合奏を仕上げるから、他のパートは演奏会の直前に入るくらいでちょうどいい。年1~2回でもフルオーケストラに参加できるのは子どもたちにとって得がたい経験です。
管楽器のエキストラは先生のツテで呼んだ音大生のお兄さんお姉さんたちで、一応、「ジュニアオーケストラ」として違和感がない(?)。彼・彼女たちは少ない練習でもちゃんと合わせられるし、音も外さない。実力のある人は高いギャラを払わないと呼べないので、うちのオケのエキストラは「そこそこのギャラで来てくれる人」らしいけど、子どもたちのヴァイオリンには不釣合いなほどの(素晴らしい)腕前で、まったく、アマチュアオーケストラの演奏は管楽器で決まると言っても過言ではないとあらためて思った次第。ぼくなんかが、「あの~、実はぼくもオーボエやってました。親だったらノーギャラですよ
」なんて、言い出す余地はないのです(汗)

」なんて、言い出す余地はないのです(汗)
そんなわけで、エキストラの皆さんのおかげで予想以上の好演でした(しかしお客さんには長い交響曲よりもアンダーソンのほうがウケがよかったことは言うまでもない)。今年も残り数分。「第九」ならぬ「第一」の聴き比べ記事を書くつもりでしたが、今日聴いた演奏を列挙して逃げ切ります。良いお年をお迎えください。
<今日聴いた演奏>(録音年代順)
1)ウィレム・メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィル【1930年録音、米Victrola(SP復刻)】
2)アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィル【1958年録音、EMI】
3)ヨゼフ・カイルベルト指揮バンベルク交響楽団【1959年録音、TELDEC】
4)フランツ・コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団【1959~1961年録音、edel】
5)ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン【1979年録音?、BRILLIANT】
6)ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団【1997年録音、RCA】
7)ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ【1999年録音、TELDEC】
1)はポンちゃんさんの復刻。3)は堀内淳さん、5)と7)はハルコウさんからいただきました。ありがとうございました♪
(大晦日の過去記事)
【2009年12月31日】ヨーロッパ賛歌(ベートーヴェン/カラヤン編曲)
【2010年12月31日】交響曲第10番(ベートーヴェン)
【2011年12月31日】喜歌劇「こうもり」第2幕~ガラ・パフォーマンス
【2012年12月31日】ウィーンの夜会(ヨハン・シュトラウス2世/グリュンフェルト編曲)