2014/04/22
シャコンヌ(ヴィターリ)/オイストラフ親子3代
<曲名>
シャコンヌ(ヴィターリ)
シャコンヌ(ヴィターリ)
<演奏>
(1)ダヴィッド・オイストラフ(Vn)、ウラディミール・ヤンポルスキー(Pf)【1950年録音、MELODIYA】
(2)ダヴィッド・オイストラフ(Vn)、ウラディミール・ヤンポルスキー(Pf)【1952年録音、MELODIYA】
(3)イーゴリ・オイストラフ(Vn)、Abram Makarov(Pf)【1954年録音、Le Chant du Monde】
(4)ヴァレリー・オイストラフ(Vn)、ウルリヒ・グロッサー(Org)【2005年録音、MUSICOM】
(1)ダヴィッド・オイストラフ(Vn)、ウラディミール・ヤンポルスキー(Pf)【1950年録音、MELODIYA】
(2)ダヴィッド・オイストラフ(Vn)、ウラディミール・ヤンポルスキー(Pf)【1952年録音、MELODIYA】
(3)イーゴリ・オイストラフ(Vn)、Abram Makarov(Pf)【1954年録音、Le Chant du Monde】
(4)ヴァレリー・オイストラフ(Vn)、ウルリヒ・グロッサー(Org)【2005年録音、MUSICOM】
(1)ダヴィッド・オイストラフ&ウラディミール・ヤンポルスキー
http://www.amazon.co.jp/dp/B0001LGF02
http://www.youtube.com/watch?v=i4B1ifcWa9o (10分14秒)
http://www.amazon.co.jp/dp/B0001LGF02
http://www.youtube.com/watch?v=i4B1ifcWa9o (10分14秒)
ダヴィッドのヴァイオリンはズッシリとした手応えのある音で、まるで仁王立ちの弁慶のごとく圧倒的な存在感。しかし、動かざること山の如しではなく、熱い血が通い、テンポも表情もこまやかに変化し、ときには涙も流す。ゆうちゃんが幾つか聴いた演奏のうち「これが一番、私に近い!」と反応したことにぼくが絶句したのは言うまでもない。
上の画像と演奏は(1)です。(2)のライヴ録音は、以前に乙貝さんから教えていただき初めて存在を知りました。使用譜は(1)と同じくシャルリエ版。解釈の違いよりもテンションの違いが印象的で、テンポを煽りさえする。貴重な録音を提供してくださった乙貝さんに、あらためて御礼申し上げます。
(3)イーゴリ・オイストラフ&Abram Makarov
ダヴィッドの息子イーゴリは父子共演のバッハのドッペルなどで「親の七光り」のように知られますが、彼自身がヴィエニャフスキ国際コンクールで優勝した実力のあるヴァイオリニスト。しかしぼくは、以前たまたま聴いたイーゴリのある録音に惹かれず、彼に対する関心を失いました。
このヴィターリもしばらく聴かずに放ったらかしにしていたのですが、先日仕方なく(?)聴いてみたら、なんと凄いヴァイオリン!頼りなさそうな外見に騙されてはいけない。父ダヴィッドの録音(1)からわずか4年後。使用譜(シャルリエ版)も密度が濃いダークな音も父譲りですが、父が熱いハートを内に秘めつつも悠然たる構えを崩さないのに対し、イーゴリは激情を隠そうともしない。シャルリエ版にはもともとそういう要素があると思いますが、これほどまでに高い技術と集中力と燃焼度をもってその本質に迫る演奏をぼくはほかに知らない。
(4)ヴァレリー・オイストラフ&ウルリヒ・グロッサー
Valery Oistrakh Official Website
http://www.valeryoistrakh.com/Ich_ruf_Zu_Dir.html
http://www.valeryoistrakh.com/Ich_ruf_Zu_Dir.html
ダヴィッドの息子イーゴリの息子(つまり、孫)。ヴァレリーはザハール・ブロンに師事し、日本の某コンサート・マネジメント会社のサイトでは「ヴィエニャフスキ国際コンクール優勝」と紹介されていますが、かつて祖父ダヴィッドが第2位入賞し、父イーゴリが優勝した同コンクールの歴代入賞者にヴァレリーの名前を見つけることはできないのは…なんでだろう~♪ヴァレリーの公式サイトでは“winner at the All-Russian Competition of the former Soviet Union and the Tibor Varga International Competition in Switzerland, among others”と記載されています。
ヴァレリーのヴァイオリンには「オイストラフ」の名前から連想する重量感も押しの強さも感じないけど、これがヴァレリー本来の芸風かどうかは分かりません。このアルバムは、バッハのコラールとか「G線上のアリア」とか、シューベルトのアヴェ・マリアとか、要するに「祈り」「安らぎ」といったテーマで貫かれているので、最後のトラックに置かれたヴィターリもその延長線上で弾いているのは当然のことです。(同じアルバムの「G線上のアリア」→ http://www.youtube.com/watch?v=3TbMeEgCds4)