2016/07/18
追悼
ゆうちゃんは16歳、高校1年生です。今日はジュニアオーケストラの定期演奏会でした。
【曲目】
○ディヴェルティメントK136(モーツァルト)
○美しく青きドナウ(ヨハン・シュトラウス2世)
○交響曲第5番(ベートーヴェン)
○ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウス1世)[アンコール]
ゆうちゃんのオケ歴は長く、すでに人生の半分以上。このオケには東京に来てから入れてもらい、定演に乗るのは4回目です。実はオケとは名ばかりで、ふだんは弦楽合奏団(しかもほとんどVn)ですが、定演の直前と本番だけエキストラで増強してシンフォニーをやります。今回は総勢50名編成で、なんとエキストラのほうが多かったけど、年1回でもフルオーケストラで弾けるのは子どもたちにとって大きな経験です。
指導者は日本フィルのファゴット奏者N先生とその奥様(Vn教師)を中心に4名体制で、家族的な運営で10年にわたって活動してきて、今回も本番まであと1ヶ月という、例年と同じようにエキストラも含めた合奏練習が始まる時期にN先生が急逝。通夜で号泣する子どもたちを見て、子どもたちがN先生を心の底から慕っていたことがよく分かった。
そして、この窮地を救ってくれたのは日本を代表するマエストロ、O氏。亡くなったN先生とは趣味(クルマ)つながりの旧友だそうですが、リハーサルは前日と本番当日だけで演奏解釈は急変。N先生は歯切れよく元気いっぱいの芸風だったけど、救世主は慌てず騒がずエレガント。例えば、ベートーヴェンの第2楽章でハ長調に転じる爆発もごく自然な流れに、また、この楽章の最後、これまで短く切るように仕込まれてきた音も長めに取ることに。指揮者が変わると解釈はこんなに変わるのかと、図らずも子どもたちには強烈な体験となった模様。メンバーの中学生の女の子の「N先生は最期まで私たちに宝物を遺してくれた」という言葉はきっと関係者みんなの気持ちを表しています。合掌。
♪ひばりタイムス
【余談1】
【余談2】