わが青春のカセットテープ

『カセットテープ ブーム再び メーカーが復刻版発売』(2016年10月24日、毎日新聞)
ハイレゾ(高解像度)など技術的に高音質というのと、耳に聞こえる心地よさはレベルの違う話。アナログの音が心地よく聞こえる訳は、音の柔らかさや、ノイズ(雑音)も含めたリアリティーにある。
店を訪れる人の年齢はさまざま。懐かしさを求めに来る30代以上の音楽ファンがいる一方、カセットテープの時代を全く経験していない若者も多い。彼らにとって、カセットテープはデジタルの次に来ている新しいメディア。そこにノスタルジーは全く介在していない。
カセットテープやラジカセの持つ「ガジェット(道具)感」も魅力の一つ。カセットをラジカセに入れ、再生ボタンをガチャッと押す、あの感覚だ。インターネットでデータを受信しながら再生するストリーミングと対極的で、デジタル世代にはすごく新鮮。逆にクールなものに映る
(定額で好きな曲を何万曲も聴ける音楽配信サービスが普及するなど)安価で聴きやすい状況ができたのに、みんな音楽を聴かなくなっている。有り難みが損なわれると、そこから離れていくからだ。曲をスキップできないカセットテープでは、A面の1曲目からB面の最後まで音楽と対峙して、楽しさを再認識できる
(以上、東京・中目黒のカセットテープ専門店「waltz(ワルツ)」の角田太郎さんのコメントを中心に抜粋)
 
カセットテープなんて死語かと思っていたら、最近ブームらしい。ぼくが自ら音楽を求めて怒涛の勢いで聴くようになった小学校高学年から中学生にかけて(1980年代後半)はちょうどレコードからCDへの移行期で、わが家にまだCDはなく、しかしレコードプレーヤーは壊れて処分され、中学入学祝いで買ってもらったダブルのラジカセがぼくにとって初めての自分専用再生機でした。
 
このときCDプレーヤーを買ってもらう選択肢もあったかもしれないけど、当時の小遣いで高価なCD(ディスク)は買えないし、近所の図書館から借りるカセットテープのダビングとかFMのエアチェックで必要なのは、間違いなくカセットテープでした。
 
そんなわけで、市販の音楽ソフトでも選べるのは当然にカセットテープのみ、父の海外出張のお土産もカセットテープ、自分で買うのもカセットテープ。中学3年のとき(1989年)にわが家もようやくCDプレーヤーが導入される以前はカセットテープがすべてでした。
 
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【父に買ってもらったカセットテープ】(=特にお気に入りだった)
■ベートーヴェン/交響曲第9番(クルト・マズア指揮)
■ヴィヴァルディ/二重協奏曲集(ネヴィル・マリナー指揮)
■バッハ/ヴァイオリン協奏曲集(ヤープ・シュレーダー、ホグウッド指揮)
■バッハ/管弦楽組曲全曲(ニコラウス・アーノンクール指揮)
■フルート協奏曲集(セヴェリーノ・ガッゼローニ、イ・ムジチ)
■フルート協奏曲集(ジャン=ピエール・ランパル、ジャック・ルーセル指揮)
■バッハ/リュート曲集(ナイジェル・ノース)
■バッハ/無伴奏チェロ組曲全曲(ミッシャ・マイスキー)
■ヘンデル/オルガン協奏曲集 作品4全曲(サイモン・プレストン、トレヴァー・ピノック指揮)
アーノンクールのバッハは大学時代にCDで買い直し、ホグウッドのバッハもずっと探していたのですが、なかなか同じジャケットデザインのが見つからなくて数年前に買い直しました。マリナーのヴィヴァルディは10数年前に大阪駅の近くの地下街のCDショップでただ一度だけ出会ったのですが、当時ぼくが避けていた旧西独盤だったので悩んだ末にスルーし、再びその姿を見なかった。CDをあきらめ、レコードで買い直しました。なお、マズアの第九だけ異色ですが、特に深い理由はなかったと思われます
 
【自分で買ったカセットテープ】(=特にお気に入りだった)
■アルビノーニ/オーロラの誕生(クラウディオ・シモーネ指揮)
■ヴィヴァルディ/フルート協奏曲集 作品10全曲(オーレル・ニコレ、イ・ムジチ)
■ヴィヴァルディ/ファゴット協奏曲集(クラウス・トゥーネマン、イ・ムジチ)
■バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ全曲(フェリックス・アーヨ)
■バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ全曲(フェリックス・アーヨ)
■バッハ/リュート曲集(ナルシソ・イエペス)
アルビノーニは2本組で4600円くらいだったか、中学生には清水の舞台から飛び降りるほどの大きな買い物でしたが、輸入品で外国語表記のため解読できず、山路芳久さんの名前が当時のぼくにヒントになるわけもなく、説明書きの一部が「5声」と読めたのできっと「5声の協奏曲集」だろうと勝手に解釈して買ってみたら全然違いました(オペラっぽい曲)
 
イエペスのバッハは消費税(3%)が導入される直前(1989年3月頃)、駆け込みでとにかく何か買っておこうと思って買ったのですが、消費税導入と同時に物品税(確か10%)が廃止され、実は消費税導入後のほうが安くなることをこの中学生は知らなかった
 
これらは今となっては聴く機会は皆無で、ぼくが再びカセットテープを好んで聴くようになることは考えられないけど、モノを捨てられない性分の自分の中でも特に捨てられないランキング上位です
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コメント

No title

おお、何というタイムリーな記事♪
私は最近久しぶりにカセットデッキを復活させて、昔のエアチェックテープを聴きなおしていたところだったんですよ。
このテープは貴重です。ヤフオクでもそれなりの高値で取引されているはずなので、大事にしてくださいね!
そういえば、最近某オーディオ誌で、LPとカセットでの同一音源聴き比べの特集が組まれており、興味深かったです。やはりブームなんですね♪

No title

ポンちゃんさん)
おお、タイムリーだったのですね。ぼくも昔のエアチェックテープは思い出深いです。お気に入りの曲・演奏は同じレコードやCDを探して買い、中には20年がかりで探したものもあります。ライヴはそうもいきませんし、客観的にも貴重です。
ヤフオクでテープが高値取引されているなんて考えもしませんでした。捨てられない性分ですが、高値が付くなら迷わず売ります

No title

この記事は私も読みました。カセットテープ専門店が成り立つというのは、さすがに東京ですね。
私もカセットには随分お世話になりましたが、専らLP→80年代後半からCDに移行でしたから、市販のミュージックカセットというのは全く買いませんでした。こういう製品には興味津々です。パッケージもCDよりさらに小さいのですが、組ものになると風格ありますね。

No title

こんばんは!おおっスゴイコレクションですね
このカセットテープたちがLoreeさんの礎になったのでしょう
間違いない(笑)

No title

おはようございます

さすがLoreeさん、ベートーヴェンはなぜか第九だけでモーツァルトが皆無というコレクションが凄いです。
それにファゴット協奏曲なんて渋いです

カセット、オープン、DATとエアチェックテープは沢山あるのですがデッキがすべて壊れて聴けません
カセットなら買えそうなので悩んでいるところです

No title

押し入れの中のカセットテープを捜索したところ、ショルティのマーラー5番、テンシュテット/LPOのマーラー1番、マゼール/フランス国立管の「惑星」、ユーミンの「昨晩お会いしましょう」を発見。
30年以上前の遺物であり、「惑星」はメタルテープである。

媒体がどれほど変わろうと、自分はこれっぽっちも変化していないことも発見したよ。

No title

こんばんは、私も記事読みました。
それにしてもこんなに販売用のカセットテープ持っている人、初めて見ました!うちには3本くらいしかなかったなぁ。
もちろんレコードやCDから録音したテープはそれこそ山のように。当時はプリンターとかないから、いちいちラベルにアルファベットのシールを貼ってタイトルを付けていました。

テープからデジタルに変換する作業もしましたが、かなり面倒なので頓挫。結局、このブームもカセットデッキとテープが生産されなければ続かないわけです。あれだけテープを愛用した私でさえ永続性のあるモノとは正直思えませんし、懐かしくなって押入れの奥のダブルデッキを繋いで再生する事もないでしょう。

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yositakaさん)
なるほど、わが家(実家)のようにレコードからCDの移行期にブランクがなければカセットテープの音楽ソフトは買う理由がないですよね。それに、確かに!「コンパクトディスク」よりもコンパクトです(笑)
今回の記事で再認識したのは「曲をスキップできない」という点です。レコードは一応、溝を頼りにつまみ聴きできますから。「聴きやすくなるとそこから離れていく」は真実だと思います。だから自分もカセットに回帰するかと言われると、たぶんそうはなりませんが、音楽を最も真剣に聴いていたのがカセット時代だったことは間違いないです。

No title

torikeraさん)
人生最初期のコレクションは確かにぼくの礎になったかもしれませんが、その結果、こんな偏った人間に(笑)

No title

パスピエさん)
本当、第九だけ謎ですが、モーツァルトは、父の知人がダビングしてくれたらしいカセットテープで協奏曲の大半が揃っていて、たまにそれを聴いていました。
自分で買うのはバロックしか眼中になく、有名曲は近所の図書館から借りたりFMの放送を待ち、そうやって聴けない曲を自分で買う方針だったので、ちょっと渋い選択もありましたが、もし当時の自分にアドバイスできるなら言いたいことはたくさんあります
パスピエさんのエアチェックテープは宝の山でしょう

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G卿)
おお!G少年もカセットテープを(≧∇≦)
しかもユーミンだけ異色ですけど、そこも含めてまったく変わってないという(≧∇≦)
G少年のエピソードでは、確か、お父様にマーラーの交響曲全集のBOXを買ってもらったという。素晴らしいです。うちもこうして振り返ると多少は買ってもらっていましたけど、子ども(ぼく)がこんなに熱心に聴いてるのに、もっと早くCDプレーヤーを買ってもよかったんじゃないかという気が

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n先生)
ぼくの場合、好きでカセットを買ってたわけじゃなくて、CDもレコードもなかったのです
アルファベットのシールぼくもやってました(笑)でも、使うのがなんだかもったいなくて、大半は未使用のまま家のどこかで今も眠っています。いります?
いろいろダビングしたカセットは、数年前まで乗っていたマイカーがカセットデッキしかなかったので車ではよく聴いていましたが、今はもう車もなく、いつ出番が来るのか分からないまま家のどこかで眠っています(←捨てられない人)。
ちなみにぼく、ゴールドカードです(完全なるペーパードライバー)
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